【銀魂】呼吸する音 2【銀時成り代わり】

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銀時「よぉ、ズラ」


桂「ズラじゃない、桂だ。」


定番の挨拶をし終えたところで、俺はヅラの隣にストンと座った


いつも通りの縁側で


ほんの少しの沈黙の間に流れたのは


乾いた風だった


桂「聞いたぞ、倒れたんだな…高杉がかなり怒っていた」


銀時「なんであいつキレてんの？」


全く理解できない彼の怒りを率直に問う


桂「倒れた理由をお前が話さないからだろう」


銀時「理由？」


高杉がそんなにお人好しだとは思っていなかったけど…


話す必要あるのか？気になるだけ？


桂「あいつも心配したんだ…俺も心配した」


心配…ね


銀時の存在は2人の中で急激に大きな存在になった


心配されて当然なのだろうが


他人に心配されるといい状況に未だ慣れない


銀時「……雨が嫌いってだけだよ」


桂「阿呆。雨が嫌いと言うだけで倒れる馬鹿がいるか。」


「いるんだよ」


一瞬変わった声色に、ヅラは肩をビクつかせたが、すぐにため息をはいた


そして、やれやれといった様子で首を振った


しかし、なにかそっと微笑んでから


嬉しさを隠しながらわざとらしく話し始めた


桂「お前には困ったものだな。


俺は雨嫌いでな。


雨の日の稽古は控えるか。」


スッキリした顔つきで立ち上がるヅラ


桂「高杉も雨の日はサボりたがるんじゃないのか？」


目線だけを俺へ向けるヅラ


銀時「そうだな」


笑いを少し込めながら、返事をしてみせた


銀時「松陽の世話が増えそうだな」


桂「あ」


銀時「ん？」


俺の言葉に振り返ったズラ


なんか変な事言った？


その場にかたまり、阿呆のような顔をするヅラ


桂「え、いや…すまない。昔のことを思い出してしまって…」


銀時「昔？」


昔っていつの事だ？


俺と会う前？高杉と会う前？


桂「……おばあが死んでしまったあと、俺の世話をしてくれていた人がいたんだ。


俺の3つ上で…そんなに年も変わらないのに、よく面倒を見てもらっていたのだが


突然、出ていってしまってな


その時のことを思い出しただけだ」


…そんな人間がいたのか


原作では出ていなかったが


桂がこんなに思い入れする人がいただなんて


思ってもみなかった


………だとすると


桂「すまない、変な話をしてしまって…」


私の思考を遮るようにして入ってきたヅラの会話に顔を上げる


銀時「……気にすんな。」

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