【銀魂】呼吸する音 2【銀時成り代わり】

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暖かい


まぶしい光を感じ、くっついた瞼をゆっくりと開けた


松陽「おはよう」


「…ぉはよう」


上半身を起こし、目をこする


頭が働かない


しかし、そばに松陽がいるということは私は倒れたのだろう


「なにがあったけ？」


松陽「雨にやられて倒れました」


「…………」


松陽は笑顔で私に言った


松陽の言葉により、私の記憶は鮮明に蘇った


倒れることはあんまりなかったのになぁ


まだちゃんと動かない頭で考える


松陽「梅雨に入りましたから、雨が増えると思いますよ」


「…がんばるよ」


克服は恐らく無理だ


雨によりトラウマにトラウマが重なり合い


何重にもなっている


それをすべて解くなると…


予測出来ないほどの時間がかかる


松陽「無理に克服しようとしなくていいんですよ。貴女は十分頑張っているんですから」


「うん…」


すっかり晴れた空は雨というものを知らないほどに青く、澄み渡り、雲がひとつもなかった


この快晴に破顔できるかと聞かれたら、それも無理と答えるだろう


晴れた空も好きなわけではない


松陽「道場破りさんがここまで連れてきてくれたんですよ。」


私とは正反対に微笑む松陽


「………ねぇ」


私は松陽の言葉に対する正しい返答をしなかった


気になることがあったから


「どうして高杉たちのこと、名前で呼ばないの？私のことは名前で呼ぶのに…」


道場破りを引きずってるわけでもないだろうに


…でも、思い返してみれば


作中で松陽が銀時以外を呼び捨てにしたところ見たことないな


それが影響してたりするのか？


しばし、驚いた顔をしてから松陽を顎に手を添え、考え始めた


松陽「そう、ですね……二人称で呼ぶことが多いので意識していませんでした…


呼ぶとしたら名字ではなく、名前ですかね？」


言われてみれば、松陽との会話は二人称で成り立つ


私自身の名前だって呼ばれたことがない


ん？そう言えば、私…松陽に名前言ってないな


………でも、いいや


私の存在は、名無しの方がいい

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