【銀魂】呼吸する音 2【銀時成り代わり】

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本の数メートルの闇の中から除くように光る灯火


それは、だんだんと近づいてきた


そこで私は気づいた


…坂田ってどこから出てきた？？


ここに来て一大事


「おい、そこの童共」


自分の名前がわからないなんて


あとから改名なんて面倒臭がられる


もしも…万が一いや億が一に坂田銀時の名前がとても重要なキーワードであったら？


結構まずいよね…


今ここで苗字を坂田にし、名乗った場合


後に来るかもそれない苗字を付けるイベントを撮り逃したら


それもそれでまずいでしょ？！


あああぁぁぁ…本当にどうしよう


「こんな夜更けに何をやっている」


…………


…………


もー！！！いい！！！


苗字なんぞ名乗らん！！！


私は知らん！！


俺にスポットライトが浴びせられるように提灯の灯火が俺を照らした


銀時「松下村塾、吉田松陽が弟子。銀時。」


桂「同じく。桂小太郎」


高杉「同じく。高杉晋助。」


肺にいっぱいいっぱい酸素を詰め込む


そして構え、足に力を込めた


「「「参る！！！」」」


その合図とともに地面を蹴り上げた


しかし





「抜かないでください」


その声に、全員が足を止めた


その声を発した本人は勿論


松陽「そのままそれを収めていただきたい」


松陽である


松陽「両者とも…」


仁義を知らないような目


暗澹とした世界の中で一層闇が濃く、深い


普段の松陽の様子とは雲泥の差と言っていいほどの違いだ


松陽「どうか私に抜かせないでください」


「よっ…吉田松陽…貴様っ！」


役人の声は明らかに狼狽えていた


普段とは打って変わったその様子に圧倒され、役人達は松陽が1歩近づくと、また1歩というように後ずさった


松陽「私のことを好き勝手吹聴するのは構いません。目障りなら、何処へなりとも出ていきましょう


ですが」


ごくり、と喉が鳴った


あまりの張り詰めた緊張感から松陽から目が離せない


「ｼｬｷｯ」


鋭い金属音がほんの一瞬の間に夜空に響いた


その音が鼓膜に響き、脳がその音を認識した瞬間


役人共の刀が真っ二つにされてた


松陽「それを私の教え子に向けるのなら


私は本当に国家くらい転覆しても構いませんよ」


憤りを感じさせる低い声


殺伐とした腹に一物も二物も抱えてそうな目


重くのしかかる甚振る様な圧力


その全てで、役人達を押さえつけた


「ひぃっ…」


膠着状態にあった現場は、一瞬にして僅かな人数を残し、静寂を蘇らせた

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