【銀魂】呼吸する音 2【銀時成り代わり】

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「はぁ…」


寒空に息を落とす


その息が白くなる訳ではなかったが、肌寒い夜にはこうして息を吐いてみたいものだった


今日から塒なしか。


松下村塾を抜け出した私はマフラーを巻き直す


「口がさない奴らは面倒だな」


ここに至るまでの原因は癪にさわるが、仕方がないのこと。


高杉もヅラも…ちょっとは成長できたでしょ


満月が自らの存在を主張しているのか、はたまた今日という日を祝ってくれているのか…何となしにいつもより大きく見えた


「綺麗だな」


特に思ってもみないことを声に出す


気怠い様子をあまりに出したくなかったんだ


金色に輝き、はっきりと輪郭をもつソレはアノ子の様で、誰もがそれを美しく思い、見とれ、誰かが詩に記して、またその存在を次に知らせていく


どの時代でも月というのは変わらぬもの


時間稼ぎに考えたことは思ったより時間を感じさせた


「＿＿＿＿＿＿…」


「そろそろか」


気合を入れるために呟いた言葉に合わせ、木刀を肩にのせる


銀時「名門の2人？笑わせるな


国家転覆を狙う悪の反乱組織


松下村塾の悪ガキ3人の間違いだろ」


歯を見せて、はしたなく笑ってみせる


桂「お前…何故ここに？！逃げろと言ったはず…」


余った指でいつもの如く鼻をほじる


銀さんどんだけ鼻ほじるんだよ…！めんどくせぇ！


しばし心の中で毒を吐く


銀時「そりゃ松陽の話だろ…なんで俺まで逃げなきゃならねぇ…


それに、学校のサボり方から夜遊びまで覚えたんだ。もうてめぇらは立派なうちの門下だ。別れの挨拶くらい来るさ


もうこれで十分だ。あとは俺がやっからお前らは手ー引け。どうせ俺と松陽は流れ者だ。居場所なんざどうにでもなる。


ただ、お前らは違う。これ以上関わったら戻れなくなるぞ


…首席を失いてぇのか」


背中を向けながら語る


しかし、彼らは俺を1人で前に出すことはしなかった


隣に並び、共に戦うことを選ぶ


高杉「戻る場所なんぞあったら、はなからこんな所に来ねぇ」


高杉が歩き出す


桂「おばあが死んでから天涯孤独の身」


桂が俺の隣に並ぶ


桂「何より、首席などという肩書きが必要なものにはもうなる気は無い」


高杉「もしそんなもんがあんなら誰に与えられるでもねぇ…


この目で見つけ」


桂「この手でつかむ」


全く、本当にコイツら面倒くさそうだ


こりゃ松陽も大変だな


銀時「分かったよ


じゃあ、もう何も言わねぇ」

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