ケロロ軍曹擬人化学園物語四

第百五十二話「天下泰平」 ページ15

クルル「…」

目を覚ますとそこには誰も居なかった

クルル「…チッ」

あの赤だるまのせいでまた俺様は気絶してたのか

我ながら情けねぇなァ

部屋が暗い外も暗い すっかり夜が更けたようだ

クルル「…あの赤だるまはいねぇし…会長もオチてるだろ…」

クルル「ククッ」

俺はかけられているタオルケットを放り投げ 二階へと向かった

アイツが寝ている場所なんてどうせ夏美の部屋だろうよ

あの馬鹿共が考えそうな場所なんて手に取るように分かる

クルル「まぁ第一」

クルル「俺様と一つ屋根の下に居るということは 襲って下さいって言ってるようなモンだしなァ」

愚かで愉快すぎて 笑い声が抑えきれない

階段の軋む音がする

あんまり音がして気付かれても面倒だな…

出来るだけ忍び足で俺は二階へと向かった

だがその気遣いはもう既に手遅れだったらしい

俺様の目の前にはニタニタ笑っていやがる会長がつっ立っていやがった

クルル「…気持ちが悪ぃ」

ケロロ「なっ!なんでありますかその言い草は!酷いであります!」

会長はしょうもない怒りを表すかのように手をブンブンと振り回しギャーギャー騒ぐ

クルル「ク〜ックック…ガキかっつーの」

思ったことを隠さずに言うのが 俺様の美点だよなァ

我ながら惚れ惚れするぜェ

ケロロ「なっ…まっまぁ良いであります」

ケロロ「ところでクルル話が…」

クルル「断る」

ケロロ「なっ!話ぐらい聞くでありますよ!」

また騒ぎ出す

本当うぜぇ… 俺とAのランデブーを邪魔しやがって…

アイツだって今頃待ち構えているに違いねぇのに…ククッ

クルル「どうせ 宿題あーだこーだだろ? お断りだ」

会長は驚き目を見開く

逆に他に何があるって言うんだ

俺はそんな会長に対してわざとらしい溜息をつく

ケロロ「…ぐっ」

クルル「…もういいか?俺様会長に構ってる暇ねぇんだよク〜ックック」

会長を素通りし 後数ｍ歩けばお目当てのとこでたどり着くその時

俺は会長にまた邪魔をされた 脚を掴まれたのだ 全体重をかけられて

クルル「…なんだ」

物理的に会長を見下す 会長もまた物理的にこちらを見上げる

上目遣いもAなら滾るんだけどなァ…何が好きでこんな

クルル「ククッ…俺にそっちの趣味はねぇよ」

ケロロ「…今何処に向かおうと」

クルル「見て分からねぇのか?」

ケロロ「見て分かるから引き止めてるんでありますよ!!!ギーローロ!ギーローロ!!!!!」

なっ…!今あの赤だるまに見つかったら…!

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