想いが聞こえたから ページ18
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「「...」」
主さんのその言葉にその場が静まり返った。
知りたいか知りたくないか。それで言ったら知りたいに決まってる。
でも僕らの頭には、きっと同じ言葉が浮かんでるから。
『知ったその先の未来は、俺達を幸せにするとは限らないんじゃないか』
「...お前らが知りたいって言うなら、話そう」
「「...！」」
「話す、より...視せる、のが正しいか」
「視せる...？」
皆の問いを代表して首を傾げた鶴丸さんに、主さんは小刀を机の上に提示しながら説明してくれた。
「俺の霊力でお前らの意識を"俺の霊力が作り上げた虚像の世界"に飛ばす。そこでのお前らは意識だけの存在だから、その世界の者に認識もされないし触れることも出来ないけどな。視るだけなら充分だ」
「そんなこと出来んのか...」
「これでも一応"天才"なんだぜ？だからこうすりゃ、お前らは全部知れるよ」
主さんのその言葉が、僕の積み重なった感情に潜り込んでいく。
知りたい。
知りたい。
...助けたい。
「教えてください」
「...堀川、」
僕は。
弾き出した答えの答え合わせがしたい。
あまりにも突飛で非現実的なこの答えには混乱しかなくて、正直言ってまだ理解が追いついていないけど。
それでもこの答えに辿り着いた時、僕は全ての点と点が繋がったように感じて、そして凄く苦しくなった。
...潰れそうだった。
でも、この答えが本当なら、本当に潰れそうだったのはAのはずだから。
「...Aが、"助けて"って言ったから」
「「...！」」
「その叫びを、無かったことにしたくない」
「...はあ」
主さんが深く溜息を吐いて、困ったように笑った。
「...お前ら皆、そうなんだな」
「...え」
その声にふと周りを見渡す。
皆その瞳に確固たる意志を携えて、真っ直ぐ主さんを見据えていた。
「分かったよ」
観念したように主さんが小刀を引き抜く。
そしてそれを勢いよく机に突き刺した。
「...！」
小刀から光が漏れだし、部屋中に主さんの霊力が満ち始める。
その光に包まれながら、主さんが言った。
「...お前らはさ、この本丸に顕現されて...幸せだったか？」
「...ああ。勿論だ」
「...そうか」
皆の総意を口にした三日月さんに、主さんは安心したように笑って。
光が、強くなる。
「...頼んだ」
光に掻き消される主さんが、最後に、僕に向かってそう言った。
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不透明どろっぷ。(プロフ) - 前回のやつと今回で涙腺が緩んで戻らなくなってしまいました(号泣) とても凝った話ですね！ (2021年3月1日 22時) (
レス) id: a7e7752e52 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ２(プロフ) - 狩歌さん» やったぁぁ!!楽しみにしてますねっっ!! (2019年4月21日 20時) (レス) id: 5238a033a3 (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - ニャンコソバ２さん» ニャンコソバさんこんにちは！ありがとうございます〜！楽しんでいただけたなら幸いです(*´∀｀*)リクエスト了解しました！リア充させますよ〜！ (2019年4月21日 9時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - しおねーさん» ありがとうございます！もうしばしお待ちください〜 (2019年4月21日 9時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ２(プロフ) - お、お疲れさまでした…(?)貯めに貯めて、一気に読みましたところ、涙腺が見事に崩壊しました。笑堀川くんとリア充するやつ見てみたいです( (2019年4月21日 8時) (レス) id: 5238a033a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩歌 | 作成日時：2019年2月18日 19時
