連鎖の波紋 ページ11
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「...三日月の言う通りじゃ。Aは刀解騒ぎになるほど危険な刀...なんて、わしらは何も知らざった。...けんど」
三日月に続いて言葉を発した陸奥守を見やる。俯きがちだった顔を上げたそいつは、オレ達を真っ直ぐ見据えて言った。
「けんど一つだけ、Aについて分かったことがあるぜよ」
「「!!」」
「和泉守」
皆がはっと顔を上げる中、陸奥守がオレの名を呼ぶ。それでオレは、こいつが何を言おうとしてるか分かった。
「...あの親父さんの話か」
「和泉守も知ってるのか？」
山姥切の言葉にオレは頷き、そしてあの団子屋の店主に聞いた話を皆に話した。
冬夜達の家族を殺した鬼を葬ったのは、一振りの刀だということ。
それは、紫空切氷雪という名の刀だということ。
「...つまりAにとってやたらと冷たく接していたあの二人は、かつて仇を討ってやった存在だった...ってことか？そりゃ驚いたな」
「そういうことだ。...Aはそんなこと一言も言わなかったがな」
「なるほどねえ...彼女も僕達と同じような妖斬りの刀だったってわけだ」
何処か的を射たような射てないような、そんな感想を口にした髭切にとりあえず頷く。
すると今度は、そいつの弟分が口を開いた。
「冷たく接していたというのも気になるが、それを一言も言わなかったというのも気になるな」
「確かにそうだね、ええと、弟の...」
「膝丸だ、兄者」
こんな時でも普段と変わらないやり取りをする二人は相変わらずだが、瞳は出陣した時のような鋭い光を宿している。
謎がさらに謎を呼んじまったかとも思ったが、それについてはこいつが知ってるんだろう。
「...」
隣でずっと俯いたまま拳を握り締めている、国広が。
「...」
オレ達が手入れに部屋に駆け込んだ時、国広はオレ達と一緒にいなかった。あとから山姥切に聞いたところ、何かに酷く動揺していたらしい。
自分は知っていた、とか、気づけなかった、とか。
ただひたすらに、何かに懺悔しているようだったと。
「...お前は何か知ってんのか、国広」
「...！」
話を振られた国広が肩を跳ねさせる。拳をさらに握り締めたそいつは、小さく震えていた。
「...まあ、今はとりあえず落ち着け」
軽く背を叩けば「ごめん兼さん」くらいは言うかと思ったが、国広は小さく頷くだけ。
...聞くに聞けねえよなぁ。
すっかり夜の帳が降りた空に響いた梟の鳴き声が、オレ達の不安を煽っていく。
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不透明どろっぷ。(プロフ) - 前回のやつと今回で涙腺が緩んで戻らなくなってしまいました(号泣) とても凝った話ですね！ (2021年3月1日 22時) (
レス) id: a7e7752e52 (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ２(プロフ) - 狩歌さん» やったぁぁ!!楽しみにしてますねっっ!! (2019年4月21日 20時) (レス) id: 5238a033a3 (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - ニャンコソバ２さん» ニャンコソバさんこんにちは！ありがとうございます〜！楽しんでいただけたなら幸いです(*´∀｀*)リクエスト了解しました！リア充させますよ〜！ (2019年4月21日 9時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - しおねーさん» ありがとうございます！もうしばしお待ちください〜 (2019年4月21日 9時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
ニャンコソバ２(プロフ) - お、お疲れさまでした…(?)貯めに貯めて、一気に読みましたところ、涙腺が見事に崩壊しました。笑堀川くんとリア充するやつ見てみたいです( (2019年4月21日 8時) (レス) id: 5238a033a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩歌 | 作成日時：2019年2月18日 19時
