夕闇に面影 ページ14
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「いやぁ〜たくさん食た食た！」
西の空に日が沈み始めた現在、腹ごしらえを終え満足したらしい陸奥守さんは、飯所の外で大きく伸びをした。
「お前食いすぎだぞ…」
「ええがや！美味いもんは美味いんじゃ！」
「吉行さんの食いっぷりは腕が鳴ったぜ」
そんな陸奥守さんを見てこちらも満足そうに笑う冬夜さん。確かに、彼の振舞ってくれた料理は頬が落ちそうなほど美味しかった。
「少しでもお礼になったなら良かったです」
「他の店の人にもよろしく言っといてくれ」
薬研さんの言葉に真白さんも嬉しそうに頷く。
一番最初に会った時の警戒心は何処へ行ったのか、真白さんも冬夜さんも、そして僕らも、すっかり絆されていた。
恩人である皆さんの名前が知りたい！と言われた時はさすがに焦って、刀である僕らの名前をそのまま言うわけにはいかない...と妥協案として出されたのが、銘だけ名乗るというもの。
薬研さんは兼さんが言っちゃったからもう仕方ないとして、他の皆はそれで通った。
...蜻蛉切さんだけどこで区切るかという話になり、そのまま「蜻蛉」と名乗った際には鶴丸さんが抱腹絶倒していたが。
「ぜひまた食いに来たくなるなぁ、蜻蛉さん！」
「遊んでいるだろう、つる...国永殿...」
うん、悪い笑顔だ。
「ところで、これから皆さんはどうするおつもりですか？旅をしていると仰っていましたが、さすがに今日はこの町に泊まっていきますよね？」
ちらと沈む太陽を見ながらそう言った真白さんに兼さんも頷く。僕らは人間じゃないとはいえ、休息は必要だ。
「ああ、そのつもりだ。今から宿探すんだが...何処かいいとこねえか？」
「今から探すのはちょっと難しいぜ」
「そうなが？」
「うん。この町って旅人がよく集まりやすい町だから宿は沢山あるけど、大体この時間になるともう埋まっちまってるよ」
「それは...予想外だったな」
冬夜さんの言葉に皆どうするかと思案し始める。
この時代の季節、今は秋だから野宿は避けたいなぁ...。
「...兼定さん達、俺達ん家に泊まってく？」
「え」
「広いしいいよな、別に」
「そうだね」
「いやいや、飯もタダにしてもらったのにそれはちょっと...！」
思わぬ提案に兼さんが遠慮すると、冬夜さんが首を振って、その灰紫の瞳を真っ直ぐこちらに向けた。
こうして見ると、本当にあの少女にそっくりだ。
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狩歌(プロフ) - 作者さん» 私も作者さんのコメントで大泣きしました。ありがとうございます...！！ (2020年2月14日 8時) (
レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 大泣きした…もうやばい…語彙力低下した… (2020年2月14日 1時) (レス) id: 514b4bbba8 (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - かふぇいんさん» 告白されちった(違う)。そんなこと言っていただけて感無量です。ありがとうございます！リクエスト了解しました！もうしばしお待ちください！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - 連続でコメントすみません…！夢主ちゃんの質問コーナーみたいな茶番が見たいです。ぜひお願いします！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - すき。すきです。すきしかでてこないです。これからも心から応援してますッ…！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩歌 | 作成日時：2018年12月28日 13時
