これからの話 ページ13
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「まず時間遡行軍が出たのは隣町だ。巷の噂も全部隣町から流れてきたものだしな。
...次にあいつらがこの時代に現れて何をしてるのか、だが...」
「答えは"何もしてなかった"」
「...どういうことだ？」
薬研さんの言葉を引き継いでそう言ったAに全員が首を傾げる。付け足すように再び薬研さんが口を開いた。
「噂を聞いたなら分かるだろうが、鬼による実害は出てない...つまり遡行軍は攻撃を仕掛けてきていないってことだ。その現状通り、こんのすけのデータに引っ掛かった奴らはどれも、夜に単体で森や林に潜んでいるだけだった」
「一応遡行自体にも法則性はあったよ。三日に一回、奴らは時間を遡行してる。...計算すれば次に姿を現すのは二日後になる」
そこまで言ったAは、もっとも、と少し顔を顰めてその続きを零した。
「そんな法則性はいくらでも狂うし、しかも敵は今までに類を見ない行動をし、挙句千歳や政府のレーダーにも引っ掛からず遡行してくる。...イレギュラーだらけだよ、今回」
「こんのすけが大将に連絡して、政府と検討し次第こちらにも連絡を寄越すようだ」
「そうか...」
「それまで俺達はどう動く？和泉守」
「...」
三日に一度実害は出さずに遡行してくる遡行軍、しかも監視に引っ掛からない...確かに今回の出陣、Aの言う通りイレギュラーなのことだらけだ。
兼さんはどう判断するんだろう。
「...一先ず待機だ」
「待機？何もせんがか？」
「主なら今日中に連絡をくれるはずだ。イレギュラーだってんならそれまで下手に動かない方がいい。宿に入って作戦パターンを考えよう」
「確かにそうした方が賢明かもしれぬ。A殿の計算によれば、遡行軍は今日はいないようだしな」
「じゃ、飯食い終わったあとは宿探しってことでいいか？」
「ああ、そうしよう」
少し空気がピリッとした。事態がいつもと違うから皆の緊張の糸が張り始めたんだ。
僕自身もイレギュラーな事態だからと遅れをとって、みすみす歴史を変えさせるわけにはいかないと自然と身体を強ばらせる。
そっと正面を盗み見ると、Aも自身の握り締めた拳をじっと見ていた。
「...」
「...」
その瞳の真っ直ぐさに、
その表情の真剣さに、
思わず目を奪われる。
何処か影を帯びた紫水晶の瞳が、今はもう触れぬものを探していることを、この時の僕はまだ知らない。
異変に気づくのは、次に真白さん達と言葉を交わしたときだった。
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狩歌(プロフ) - 作者さん» 私も作者さんのコメントで大泣きしました。ありがとうございます...！！ (2020年2月14日 8時) (
レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
作者 - 大泣きした…もうやばい…語彙力低下した… (2020年2月14日 1時) (レス) id: 514b4bbba8 (このIDを非表示/違反報告)
狩歌(プロフ) - かふぇいんさん» 告白されちった(違う)。そんなこと言っていただけて感無量です。ありがとうございます！リクエスト了解しました！もうしばしお待ちください！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 8b0337ee0c (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - 連続でコメントすみません…！夢主ちゃんの質問コーナーみたいな茶番が見たいです。ぜひお願いします！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん(プロフ) - すき。すきです。すきしかでてこないです。これからも心から応援してますッ…！ (2019年2月10日 22時) (レス) id: 67bbfad4af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狩歌 | 作成日時：2018年12月28日 13時
