番外編 伏黒恵生誕祭 ページ8
※(本編との時系列フル無視)※(大遅刻(当日ちゃんと祝ってたから許して))※
『…何それ』
12月22日。特にすることも無く、校内にある木陰で本を読んでいたのだが
足音がするので顔を上げると顔中クリームまみれの伏黒が居た
伏黒「ケーキ投げ付けられたんだよ」
『それはまたなんでいきなり…』
伏黒「…今日俺の誕生日」
『へぇ…』
わざとでは無いが大して興味のなさそうな声をつい漏らす
元より自分の誕生日自体祝われた記憶のない奴が適当やったって粗末な結果になるのは目に見えているため特別何かしようとは思わないのが事実
すると伏黒は何事も無かったかのように校舎の方へ向かう
『ちょ、そのままで建物に入る気かお前』
伏黒「そうするしか他に手はないだろ」
『そこに水道あるでしょ、タオルは』
伏黒「教室」
…廊下や階段をその顔で歩き回られたら非常に困る。それに私は甘いものが嫌いだ。
砂糖どれだけ入れたんだよ、開けた場所だというのに甘ったるい匂いしかせず胃酸が逆流しそうだ
『私が取ってくるから、伏黒は水道前で待機!!手とか服に付いたクリーム落とせ!!』
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『ッ………はぁ…………』
キツい。流石にここから教室まで往復は堪えるな。
息を切らしながら芝生の上に倒れ込む
伏黒「これ、やる」
そう言い渡されたのは自販機にある缶珈琲。
彼は手ぶらで私の分のみを買ったようである
伏黒「タオル…さんきゅ」
あー、と怠そうな声を出しつつ本日の主役から逆に貰っていいものなのか、と考えを巡らす。
が、好意を踏みにじるのはかえって悪いのではと思い素直に受け取った
何かお返しになるものは無いかとポケットの中を探る
『お』
あったのは財布とメモ用紙にボールペン。
思い立ったが吉日、自販機の前に立つ。そういえば伏黒の好み、何も知らなかった。
まあこういう時は気分で、とココアを選ぶ。そしてプルタブにメモ用紙を挟んで完成。
中々の誕生日プレゼントなのではと自賛する
一方伏黒は私の一連の動作を眺めつつ珈琲が気に入らなかったのか、とか思っている所だろう
『これ、お返し』
伏黒「…自分のを買い直しに行ったんじゃ_」
『な訳。それ誕生日プレゼントだから』
伏黒「…ココア」
『気分で選んだ』
伏黒はプルタブに手を伸ばし潜ませた紙を手に取る
『誕生日、おめでとう』
良い1年を
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作者名:慎 | 作成日時:2020年11月14日 14時