44話 ページ22
「はい、毎度あり」
やっと手に入れた薬をギュッと抱き締める。
……晴太...！！
『ありがとう。おばさん』
薬を売ってくれたおばさんにお礼を言うとおばさんはどういたしましてと笑った。
「そんなに急いでどこまで行くつもりなんだい？」
『江戸に。大切な人が待ってるから...』
帰って、晴太の病気が治ったらまた皆と過ごそう。
沖田ともいろんな所へ行きたい。近藤さんとも沢山話したい。ミツバさんにももう一度会ってみたい。
そんな妄想を膨らませているとおばさんは顔を曇らせた。
「江戸って……知らないのかい？」
『どうかしたんですか？』
おばさんは一息つくと
「今江戸は大変な事になってるんだよ。将軍が暗殺されそうでねぇ。
もう将軍様の味方は僅かしかいない。……この国はどうなっちまうんだろうね...」
なに、それ
『おばさん、それ、どういうこと？』
「わからない。でも今の江戸は荒れてると思うよ。大切な人も無事かどうかわからないくらい...」
その言葉に私は弾かれたように走り出した。
「気を付けるんだよ！！」
『はい！』
将軍様が暗殺されそうになってるってことは近藤さん達、警察は警備につかされてるはず。
味方も僅かしかいないならその警備も破られるのは時間の問題……！
大切な人を失うのが怖い、
もし近藤さん達が殺されてしまったら……！！
上手く呼吸が出来なくても構わずに走り続ける。
口から血が出ても、足を挫いても。
何時間、いや何日走り続けた時だろう。
いきなり刀が飛んできたのでそれをジャンプして避ける。
『……何者だ』
立ち止まり、周りを見ても誰も居ない。
スピードが早すぎて刀が飛んできた方を見ても誰がいたかもわからなかった。
偶然？……いや、そんなわけが
……と思った時
「どーも。初めましてAチャン♪」
と後ろから聞こえた。
急いで刀を抜いて後ろを振り返ると
『……え...』
「フフ。どお？君にそっくりでしょ？」
そこには、瑞色の瞳に黒髪の男性が居た。
さっきのスピードに私と同じ瑞色の瞳。
……もしかしてこの人は
「僕は疾風族の風舟。あ、ふうせんって読むよ。」
……やっぱり。疾風族だった。
でも、なんで疾風族がこんな所に...それに、なんで私の名前を知ってるんだ...？
風舟はニヤリと笑って
「フフフ、いい顔だね。君の母親、そして僕の元奥さんにそっくり♪」
と言った。
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赤珠（仮） - らーめんさん» だよねー（白目） (2019年3月30日 16時) (
レス) id: bf995e4343 (このIDを非表示/違反報告)
らーめん(プロフ) - 赤珠（仮）さん» 多分その頃には終わってますね...笑 (2019年3月29日 17時) (レス) id: 228e3e71f2 (このIDを非表示/違反報告)
赤珠（仮） - らーめんさん» おーまいがー……うーん…え、ええと、さらば追い付いたら戻って読むね←いつになるんだよおい (2019年3月29日 14時) (レス) id: bf995e4343 (このIDを非表示/違反報告)
らーめん(プロフ) - 赤珠（仮）さん» でもこっからほとんどネタバレ注意になりますね← (2019年3月29日 14時) (レス) id: 228e3e71f2 (このIDを非表示/違反報告)
らーめん(プロフ) - 赤珠（仮）さん» 一応分かるようにしましたけど...うーん笑って感じですかね (2019年3月29日 14時) (レス) id: 228e3e71f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：らーめん | 作成日時：2019年2月28日 17時
