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41.悲劇 ページ42

夏油が冥冥に尋ねた。


「他に応援は来ないんですか?」
「あと10分はかかる」


4人は悩んでいた。時間稼ぎの術がないからだ。
呪力に触れられたら最後、猿謡は領域を展開してしまう。墓穴を掘れない状況下、動く手はない。
家入が愚痴を零した。


「そもそも領域の発動条件が緩すぎない?呪力に触れたらって」
「だが不思議なことに、アイツに縛りはない。」
「六眼が言うなら本当だ…益々Aが重要になってきたね。始めるよ」


冥冥の指示の後、夏油と五条が散らばった。位置を確保するつもりだ。それを目で追う猿謡に、冥冥の刃物が食らいつく。


「君、演劇の呪いだっけ?特級に相当するなんて驚いたよ」
『ア"?誰がそんなこと言った』


猿謡は続けた。


『俺は"(うつろ)"の呪いだ。
神への不信(虚像)外国への恐怖(虚心)政治への憤り(虚言)芸術への悲観(虚構)…それら全ては江戸時代から急増した。』


ドガアッ!!!


攻撃を受けたのは、五条だった。


「ぐッ!?」
『無下限使えねェなあ!!』


呪力の塊が五条の半身を潰しにかかる。呪霊では持たない。無限を使わなければ、死ぬ。

_____当たり前だろ!呪力なしで戦える相手じゃねえ!だがなんとしても、領域展開させてはいけない!Aがいなければ!!


『俺が古くから生き続ける理由…それは、この世が今も不自由で溢れているからだ!』


グリッ!!バキャア!!!


「悟!!」
「夏油くん早く来い!!」


冥冥が動いた。五条のトドメを刺させないよう、仕方なく呪力を解放する。

作戦変更!1級術師の目を盗むほどの速さに立ち向かってはならない。領域を展開されていない今、逃げなければ。


『中でも俺は"虚構"ーーー演劇を愛している。
あの時代を華やかにした唯一の虚。娯楽こそ全て。娯楽こそ究極。
虚が現を癒すことが、どれほど素晴らしいことか』


ドッ!!!!


「ァ"…!?」


そう思った矢先、夏油の肋に猿謡の拳がくい込んだ。
体が大きく弾け飛び、瓦礫に突っ込む。


まずい。冥さん、硝子、悟ーーー!


『それに比べお前らは、"呪いで呪いを制す"だと?終わりない戦いに身を呈して何が得られる。こうして血反吐を吐く世界に生き甲斐を見い出せると思っているのか!!』
「がっ…」
『特に地蔵頭。お前みたいな人徳主義者は、先を見据えられず枯れるだろうよォ。
だがその悲劇、俺は見たいぜ。偽物じゃなく、本物のなァ!』




ゴッッ!!!!





42.ぶっ殺す!!!!→←40.記憶玉



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tomishiro(プロフ) - また、本作はバトル描写が中心であり、恋愛描写は続編で明確になります。後者をご希望の方はもう少しお時間を頂きます。どうかご確認下さい。(こんなとこで話してますけど) (2022年6月20日 1時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - 八重はいつか夏油と結ばれるんですか?ってコメント頂いたんですけど、難しいところです。 (2022年6月19日 22時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とみしろ x他1人 | 作成日時:2022年6月3日 10時

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