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17.405号室 ページ18

「部屋番号は6階の東棟にございます、405です。鍵を失くさないよう十分にお気をつけ下さい。
また、お荷物はスタッフが部屋の前までお持ち致します。緊急時の連絡方法や室内の簡単な説明を5分あまりお伝え致しますので、ご了承ください。」
「はい。ありがとうございます」
「ごゆっくり。」




私たちは丁寧な案内を受け、室内に入る。

2日前に事件が起きたということもあって、荷物の安全チェックは念入りだ。
数ヶ月前から予約が埋まる場所なのだから、そう簡単に営業を閉められるわけではない。
とはいえ、明日から1週間に及ぶ休暇を取るらしい。ちょうどGW期間だ。運営側は大変だな。


「…じゃあ、しよっか。」
「ああ、待ちくたびれたよ。」


スタッフさんが玄関を出たのを確認して、
私たちは荷解きをせずにベッドに向かった。

2人して崩れたようにそこに座ると、傑くんは手に収まる大きさの箱を私に見せて、中身を取り出した…。



「あがり!!」
「くそ、神経衰弱が2ターンで決着つくのはないだろ!」
「最近ツいてるからね。スピードやろうよ!」


柔らかいベッドの上でトランプを並べたが、はしゃいで軋むせいでひっくり返る。

まるで早めの修学旅行だ。今は1泊2日だけど。悟くんと硝子がいたらもっと盛り上がるだろう。

そのまま一頻り楽しんだ後で、私は夜明けまでに
最上階→事件現場の1階の順番で、極力ホテル内の呪霊を祓うことになった。
傑くんは外側のホテル付近に目をやりながら、私のサポートに回ってくれる。

あくまで私の任務なので、2級呪霊2体は私が倒すべきなのだ。
3人は既に準2級をクリアしたらしいので、追いつかないと。(私の相手はぬいぐるみだったから!)


「マイハニー、そろそろディナーの時間だよ」
「面白いから辞めてダーリン」


笑いを堪えて震えながら、心のどこかで、
″何かあってからじゃ遅いよ″という硝子の声が聞こえる。

また失敗する不安に押し潰されることはない。
ここには、頼りがいのある友達の1人がいる。

気の緩んだ私には、彼女の言葉が遠くに感じた。








美味しそうな料理が並んでいる。
品のある金属音がジャズの音色と混じってお洒落な雰囲気を演出している。

傑くんと向かい合わせになって、テーブルに置かれた和牛のソテーを口に含む。
群を抜いた上品な味にビックリしてしまった。


「この後、私は着替えて先に行くよ。」
「わかったわ。気をつけてね。」


ぐにゃり、と帳が降りる気配がした。

18.違和感→←16.ホテル…?



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tomishiro(プロフ) - また、本作はバトル描写が中心であり、恋愛描写は続編で明確になります。後者をご希望の方はもう少しお時間を頂きます。どうかご確認下さい。(こんなとこで話してますけど) (2022年6月20日 1時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - 八重はいつか夏油と結ばれるんですか?ってコメント頂いたんですけど、難しいところです。 (2022年6月19日 22時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とみしろ x他1人 | 作成日時:2022年6月3日 10時

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