18.違和感 ページ19
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バシュッ
ディナーを終え傑くんと解散した後、私はスタッフさんを主に、道行く人の呪霊を祓う。
気配が32…増えている。
この事件は、酔っ払った観光客が食用ナイフを女性スタッフに向けて投げたというものだ。
行き場のない不安や恐怖が周りからヒシヒシと感じる。2級とはいえ、早急に対処した方が良いだろう。
｢お姉ちゃん｣
｢え？｣
突然、幼い男の子が服を掴んだ。迷子かと思い尋ねたが、少年は頭を横に振った。
それから何も言わず、黙って私を見る。まさか、見えるのか？
｢どうしたの？怪我しちゃった？｣
｢……｣
少年は一言も喋らない。だが私の言葉に一瞬動揺して、踵を返して走り去った。
もしかしてニュースを見たのかな。子供のためにも早く済ませなきゃ。
起きた事実は変えられない。
私にできるのは、呪いを祓う。それだけだ。
｢ふむ…｣
一方、夏油は考えていた。
帳は呪霊を炙り出す効果がある。
呪霊の気配は32体。だが、外には大きな
外というより…この屋上だ。
2級以上の呪霊ではない。呪霊操術を持つ自分には分かる。
ただ、残穢というか気配というか…、ねばついた悪寒を感じる。
ホテル内に鍵になる人物がいるのか？
｢！これは…｣
悪寒のする方を頼りに彷徨いていると、
屋上の日陰にある柵の手すりの裏側に、僅かな血痕の跡があった。
これは情報にない。
錆び付いてほとんど汚れに見えなくもない。
恐らく、事件より前にできたもの。
1年…いや、3年は前だ。
一体、何が。
『ｲﾔｱｱｱｱ』
｢やっと出たな2級｣
傑くんには上から下にかけて祓うと言ったが、逆にした。
周りには平静を装って歩きながら、2級と低級含めおよそ8体を呼び寄せ非常階段を上がる。
ひとまずこのまま傑くんと合流しよう。
図体のデカい2級は、刺激をするとすぐ襲ってくる。
タイミングを見て、1発で祓おう。
久しぶりだから少し緊張する。
｢！お姉ちゃん…それ｣
｢え｣
非常階段に、なぜかさっきの少年がいた。
口ぶりから察するに、やはりこの子は見えている。
まずい。刺激した。
『ああああああああ！！！』
私は少年を抱え込み、走って階段をかけ上る。
とにかく広いところへ。
普段ならこの場で焼いてもいいが、子供がいるなら話が違う。
私ならやれる。
傑くんと落ち合って、もう1体も私が祓ってやる。
バンッ
｢傑く｣
｢A、危ない！｣
目の前には、1級呪霊がいた。
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tomishiro(プロフ) - また、本作はバトル描写が中心であり、恋愛描写は続編で明確になります。後者をご希望の方はもう少しお時間を頂きます。どうかご確認下さい。(こんなとこで話してますけど) (2022年6月20日 1時) (
レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - 八重はいつか夏油と結ばれるんですか？ってコメント頂いたんですけど、難しいところです。 (2022年6月19日 22時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とみしろ x他1人 | 作成日時：2022年6月3日 10時
