12.燃えたぎる心 ページ13
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「…なんだと?」
夜蛾の鋭い声がその場の空気を凍らせた。
「た、大変申し訳ございません!!確かに一同は調査を徹底して準2級呪霊という判断を下したのですが」
「いい。もういい。お前たちは、
血液をも震わすような憤りが全身に響き渡る。
その圧力に声が出せなくなった者たちは、足先を揃えて姿を消した。
向かい側に3人の生徒が立っていた。
「先生。Aが特級に捕まったって、本当か?」
五条の眼が夜蛾を見つめる。
真っ直ぐ向き合っていた視線は数秒と持たず、夜蛾の眼孔が不安に揺れた。
五条は「そうか」とだけ呟き、サングラスをかけ直す。
夜蛾は廊下に集めた部下たちに吠えた。
「総力をあげ、1年生、八重Aの救出に移行する。近辺にいる準1級以上の術師に連絡しろ。
生徒を決して接触させるな。いつも通り各々の任務遂行に専念させろ。」
「!そんなことしてる余裕ないでしょ!」
「これはお前たちが取る責任ではない。いいな?」
家入の言葉が届くことはなく、背中を向けて歩き出す夜蛾をただ眺めた。
馬鹿げている。
ただそれだけの感情が、3人の中で巡っていた。
「領域内とはいえ、他の条件なしで頭を弄るのは無理がある。だから呪力に触れなきゃいけないとか…そんな所?ちなみに連続は不可能らしいな。そこまで呪力キャパが広くないんだろ。」
『イヒッ、お前頭イイなっ!好きだゼ、そんな奴の頭がこんがらがって死んでく様ハ!』
特級に張り合うとは思わない。私は、今日のうちに死んでしまうんだろう。
それでも。
「領域展開」
巨大な炎が青黒く燃え盛り、一瞬にして特級を包み込んだ。
「…騙されたな?」
その間、1.05秒。
非物質化させた青い炎に紛れて
「まだ習得できてねぇんだよ!初任務だしなぁ!!」
ゴッッ!!
ぐっと引き寄せられた隙に間合いへ入り、
悟くんが魅せた空中回し蹴りを使って顎を捻じる。
脇、胸、首、がら空き。
最初で最後のチャンス。
私は特級の首を掴み、接触部分を炎で焼いて無理やり結合させた。逃がさない。
術式が発動される前に、私ごと燃やし尽くす!
『ギィアアア!!!!』
「
溜め込んだ呪力を全て出し切る!!
お前は今、ここで祓う!!
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tomishiro(プロフ) - また、本作はバトル描写が中心であり、恋愛描写は続編で明確になります。後者をご希望の方はもう少しお時間を頂きます。どうかご確認下さい。(こんなとこで話してますけど) (2022年6月20日 1時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - 八重はいつか夏油と結ばれるんですか?ってコメント頂いたんですけど、難しいところです。 (2022年6月19日 22時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とみしろ x他1人 | 作成日時:2022年6月3日 10時