検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:32,230 hit

13.祓え!! ページ14




父は私を愛してくれていた。でも、私の友達を酷く毛嫌いした。



非術師の子供を家に招くな。遊ぶな。
身内の者だけにしておきなさい。



その言葉は、むせ返るような夏の匂いと共に、今も頭にこびり付いている。


『私だって非術師だよ、お父さん。』



「お前には立派な才能がある。」



『じゃあ私に才能が無かったら、
お父さんはあの子みたいに嫌った?』








『ねえお父さん、どうして私は』















「ゔぁああああ!!!」
『ギィアアアア!!!』



腕が、髪が、肌が、焼けていく。
痛みを超越したダメージが、傀炎斬の鋭い雨になって襲い来る。


「ア"ア"ぁあああ!!!」


特級の術式が暴走し出して、私の脳内がグチャグチャに掻き回されていく。
記憶がミリオンルーレットのように混乱を始める。
情報処理に追いつけない。

それでも既に百回は失っているであろう意識を、何度も何度も叩き起こす。

どれだけ気絶に耐えてきたと思ってるんだ!
こっちが呪霊になる前に祓ってやる!!


『ッぐぁ、郷渡羅(ごうどら)揺擺(ようばい)(かい)ィ!!』
「ざぜるがァ"あぁああ!!」




祓え、祓え、祓え。





もう二度と、友達を傷つけないために。

















「ーー呪霊操術、弥雲怱怱(やうんそうそう)
















「A!!しっかりしろ!!」
「…す、ぐ…、特級…は」
「私が結界内に入ったら領域を解いて逃走したよ。特級とはいえ、まだ戦闘慣れしていなかったようだ。こちらも一か八かだったから助かった。悟達とも今、合流中だ。それより怪我は無いかい?」
「…え、あれ?本当だ、私どうして…」


あれほど食らった斬撃も、火傷の痛みも、まるで夢だったかのようだ。
記憶の一部が欠損していることもない。全て覚えている。


「初任務で、準2級かと思ったら特級で、そのまま戦って…命からがら助かって…」


突然、やさしい温もりに体が包まれた。
それが傑くんの体温だと気づくのに時間がかかる。


「………」
「…………す、傑くん?」


暫し沈黙が流れた後、傑くんはゆっくりと手を解いた。顔が見えない。


「A!傑! 無事か!」
「悟くん!しょう…」


トン、と優しく硝子の額が肩に触れる。


「心配した。帰って来ないかと」
「…ごめんね、ただいま。」
「おかえり。」
「…A」
「悟くんも、迷惑かけたね」
「お前さ…………いや、いい。」
「?」

14.おかえり→←12.燃えたぎる心



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
47人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 夏油傑 , バトル
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

tomishiro(プロフ) - また、本作はバトル描写が中心であり、恋愛描写は続編で明確になります。後者をご希望の方はもう少しお時間を頂きます。どうかご確認下さい。(こんなとこで話してますけど) (2022年6月20日 1時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - 八重はいつか夏油と結ばれるんですか?ってコメント頂いたんですけど、難しいところです。 (2022年6月19日 22時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:とみしろ x他1人 | 作成日時:2022年6月3日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。