11.記憶の火花 ページ12
空から次々とハリボテが落ちてくる。
『ぉ、ォ俺、舞台が好きなんだァ。
クソつまんねえ劇にごご、5000円かけチャウノとか大好きィイイイイ!!!』
「まあ分からんでもない」
本当に特級呪霊か…?
ツギハギな言語しか使えていないし、攻撃もハリボテだけでショボい。
おかしい。なにか来る。
『あとハ、人を騙すのとかあ!!?』
「!」
『領域展開、
ーーーーそこに居たのは、紛れもなく。
120人以上の非術師を暗殺した呪詛師…
私の父だった。
「A。お日様は怖くないよ。出ておいで。」
「お、と…」
見たことある光景、言葉、声。
あまりにもそこに馴染む空気に、私は酷く動揺した。
私の身体は何ともない。携帯もある。なのに、それ以外の全てを書き換えられている。
まさかアイツ、精神を犯す領域を展開できるのか?そんなの聞いたことがない。いや、そんなことより。
「おいで。」
演劇の呪い…負の感情…クソつまんねえ、劇…
………嘘。
「さあ、おいで。A。」
『怖いよ、お父さん』「…いや、いやだ。」
「怖くないよ。」
『違うの。私が怖いのは…』「私この先覚えてないもの」
「大丈夫だから。」
『…ほんと?』「嫌だ!!!」
「
「
ゴォオオオオオオ!!!
『あばばばば!お俺の舞台燃ヤスなぁ!!………って、あれれ?お前も丸焦げだァあ?』
身体中が痛い。指の皮膚が爛れている。反転術式でどうこうなるものじゃない…。
「お前の領域、相手の脳に入り込んで具現化すらできるのか…しかもあんなに繊細に…。
はは、強いな。負けるよ、これは。」
『うフッ、ウフフフッ』
「お前がな。」
ドン!!!!!!
「
『あれえ…?』
炎を使えば過去の記憶…術式から離脱できた。どうして?
劇に必要なのは脚本。紙だ。その相性が関係しているのか?
…まあいい。術式の性質は掴めなくても、絶対に弱点はある。
普段の私なら直感で走るだろう。でも傑くんに教わった。
"自分が不利になった時、まずは受け手に立つ。"
頭で考えるのは後でいい。直接体に刻み込む。攻撃の重さ、速度、方向、全てを視る。
「攻撃が全部当たるんなら、耐えるまでなんだよ!!」
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tomishiro(プロフ) - また、本作はバトル描写が中心であり、恋愛描写は続編で明確になります。後者をご希望の方はもう少しお時間を頂きます。どうかご確認下さい。(こんなとこで話してますけど) (2022年6月20日 1時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
karenyoshi0308(プロフ) - 八重はいつか夏油と結ばれるんですか?ってコメント頂いたんですけど、難しいところです。 (2022年6月19日 22時) (レス) id: 5a85062d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とみしろ x他1人 | 作成日時:2022年6月3日 10時