~45~ ハンバーグの掌 翔side ページ15
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和のドナーはなかなか見つからなかった。
当然と言えば当然。
先生がもしもの時のためとドナー登録は
早くからしてあったみたいだけど、
ドナーなんて簡単に見つかるものじゃない。
病院ではクリスマスパーティーもやった。
お正月も迎えた。
今年はテレビは出られなかったけど
その分5人でいる時間が増えた。
でもその反面、和の些細な変化にも
自然と目がいくようになった。
数日前から和の周りにまた機械が増えた。
心臓のポンプ機能が低下して、酸素が上手く
回らなくなっていると先生が言っていた。
大きくはないけど発作も増えてきて
和にかかる負担は相当なものだろう。
翔「和??苦しくない??」
和「…………ん、へーき……」
和の鼻の下には酸素チューブがつけられて
俺の問いに短く答える。
それに投薬治療の効果が薄いとはいえ
やはり薬の副作用があるみたいで、
心臓の弱った和は薬の副作用が体力の消耗を
一段と速める。
翔「眠かったら寝ていいんだぞ?」
和「うん……でも、眠くないから……」
と言いながら、眠そうな和。
俺達のうち誰か1人でも病室にいると
気を使って絶対に寝てくれない。
翔「そお??………あ、電話だ。出てくるね。」
ヒラヒラと手を振る和を横目に
病室を出たけど、電話なんて鳴ってない。
少しだけ閉めずにいた病室のドアから
中を覗くと、和の瞼がゆっくり閉じた。
病室に入り直し、起こさないように
和の布団を掛けなおす。
その時に見た、点滴の繋がった方の和の掌。
ハンバーグみたいなぷくぷくした手が
やけに骨が浮き出て見えた。
俺はその手を握り、ひたすらに願った。
ドナーが早く見つかりますように。
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花蓮(プロフ) - ありがとうございます。にのあいさんの応援が確実に私の書く力になってます。これからもよろしくお願いします！！ (2014年9月20日 18時) (
レス) id: 82294c09b3 (このIDを非表示/違反報告)
にのあいlove - 更新、頑張ってください！楽しみにしています！ (2014年9月12日 22時) (レス) id: bd5aa6f72e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蓮 | 作成日時：2014年9月3日 16時
