~43~ 雨粒 和也side ページ13
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胸の息苦しさは消えたのに、
大野さんの声が胸に重くのしかかる。
智「今、病室からどうやって来た?」
和「どうやってって………大野さんに追いかけられて、走って………」
智「いいか……和。和はまだ走れる。まだ息をしてる。まだ生きてる。今、和が『移植なんて』って言った言葉はな、臓器を提供してくれる人に対する侮辱だ。生きたくても生きれない人が生きれる望みがある人に自分の臓器を託すんだよ。そうやって死んでしまった人も生きてるんだよ。」
"まだ"その単語をいつぶりに聞いただろう。
最近の俺は"もう" "どうせ"ってマイナスの
言葉ばかりだった。
潤「和」
雅紀「かず」
翔「かーず」
振り返るとそこには3人の笑顔があった。
俺が見たかった笑顔が。
潤「自分達の想いばっかでごめんな。」
雅紀「元気印復活させるからさ。」
翔「どんな時も笑ってるからさ。」
智「和の想いを聞かせてくれない?」
そして俺は解放した。
これは口に出しても叶わないと思っていた。
むしろ、出してはいけないと思っていた。
みんながどんな顔をするかと想像すると
言えなかった。
でも言っていいんだよね?
俺は間違ってないよね?
この人達なら大丈夫だよね?
大きく息を吸い込んで、目から流れ出る
沢山の雨粒を止めることもしなかった。
────俺、生きたい──────
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花蓮(プロフ) - ありがとうございます。にのあいさんの応援が確実に私の書く力になってます。これからもよろしくお願いします！！ (2014年9月20日 18時) (
レス) id: 82294c09b3 (このIDを非表示/違反報告)
にのあいlove - 更新、頑張ってください！楽しみにしています！ (2014年9月12日 22時) (レス) id: bd5aa6f72e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花蓮 | 作成日時：2014年9月3日 16時
