ようこそ、華麗なるサァカスへ【文豪ストレイドッグス】

演目５　＿ 珍しく一致する意見 ＿ ページ6

No side




敦「はー、食った！もう茶漬けは10年は見たくない！」




茶漬けをたらふく食べた少年が、


満足そうにそう云う。


眼鏡をかけた青年の顔に、青筋が浮かぶ。




敦「いや、ほんっとーに助かりました！


　 孤児院を追い出され横浜に出てきてから、


　 食べる物も寝る処もなく……あわや斃死かと」



太宰「ふぅん、君、施設の出かい」



敦「出というか……………追い出されたのです。経営不振だとか、事業縮小だとかで」



太宰「それは薄情な施設もあったものだね」




この時、包帯の青年と眼鏡の青年の目が合う。


そして珍しく、２人の心の声が一致した。




｟ この道化師の話、個人的に聞きたくない ｠




その道化師は、


彼らの思惑を知ってか知らずか、


彼らに助け舟を出す。




師星「君たち、仕事に戻らないの、カナ？」



国木田「ああ、それもそうだな」




２人の青年は、心の底で安堵した。




国木田「おい太宰、俺たちは恵まれぬ小僧に慈悲をたれる篤志家じゃない。仕事に戻るぞ」



敦「お２人は……なんの仕事を？」



太宰「なぁに……………」




包帯の青年は、その美しい眉を片方上げて、


得意げに云う。




太宰「探偵さ」




、

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