ようこそ、華麗なるサァカスへ【文豪ストレイドッグス】

演目３　＿ 包帯男と苦労人 ＿ ページ4

敦side




？「ｸｽｯ……空腹かい？少年」



『じ、実はここ数日なにも食べてなくて……』




ｸﾞｳｩｩｩ




太宰「私もだ。ちなみに財布も流された」



師星「ありゃりゃ、勿体ない、ダネ！」



『えぇ？助けたお礼にご馳走って流れだと思ったのに』




すごく残念！


お腹すいてるのに！


少しムカついていると、


川の向こうから、


「おォ〜い！！」と、


声が聞こえた。




？「おー、国木田君ご苦労様」




国木田君、と呼ばれた彼は、


さらに声を張り上げる。




国木田「苦労は全てお前のせいだ！このジ殺嗜好！」



？「そうだ君達、いいことを思いついた。彼は私の同僚なのだ。彼に奢って貰おう」



『へ？』



国木田「聞けよ！！」




あ、この国木田さんって人、


絶対苦労人だ。




？「君達、名前は？」



『中島…敦ですけど』



師星「師星道化、ダヨ！」



国木田「誰だその道化師は！！」



師星「師星道化、ダヨ！」



国木田「それは先刻も聞いた！！」




叫ぶ師星さんと国木田さんを無視して、


包帯の人が笑う。




？「では、ついてきたまえ、敦くん、道化くん。何が食べたい？」



『はぁ…あの……茶漬けが食べたいです』



？「……ぷっ、はっはっは！」




はっ？


え、なんで僕笑われてるの？




？「餓死寸前の少年が茶漬けを所望か！良いよ、国木田君に３０杯くらい奢らせよう」



国木田「俺の金で勝手に太っ腹になるな、太宰！」



『太宰？』



？「ああ、私の名だよ」




ザァッと風が吹き、


包帯の人の外套が揺れる。




太宰「私の名は太宰…太宰治だ」




、

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