#061 × ページ31
カチッと無機質な音を立てて、明かりをつける。荷物はもう、届いていたらしい。
まだ…手に残る感覚…。
「…彼氏…か…。」
もう関係無いというのに…。
アイツの今の彼氏が誰で、どんな奴なのか…
気になってしまう。
それで…
そいつは、俺よりも…………。
「…はぁ。」
思わず、溜息が出る。
やっぱり…俺はまだ、好きだ。Aが……。
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部屋に戻ると、テレビは疎か明かりすら点いていなかった。
ベッドの方を見るも、人間らしき膨らみは無い。
取り敢えず、明かりを点けようとした時…
パッと手首を掴まれた。
「…やっ…!」
「そんな抵抗しないでよ。彼氏なんだから。」
そのまま、ベッドに連れて行かれる。
「…誰と会ってたの?」
手首を掴まれたまま、ベッドの上に座らされる。
「教授の所…」
「あ、ごめん。質問の仕方が悪かったね。
______ウシワカちゃんとは会えた?」
及川の異常な態度と、その質問に
Aは目を見開いた。
「前に、オレの地元は宮城だって言ったでしょ?その時に少しの可能性でも考えなかったの?」
「……別に考えたところで」
「まだ好き?」
Aの言葉を遮る及川。
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三日目、早朝。
朝食の時間だが、牛島の姿を探して
選手たちが集まる。
「月島は見つけた?」
「まだ。」
日向と月島がいる。
どうやら、その二人も探しているようだった。
「おっす!影山。」
「よお、体調の方は大丈夫か?」
「あぁ!ホラ、このとーりっ!」
勢いよく飛び跳ねた挙句、壁に激突した。
「〜〜〜いってぇ!」
「頭の方は重症みたいだネ。」
月島が日向を揶揄う。
そして、次に現れたのは及川と岩泉。
「…やっぱり、いないか〜。」
「後で謝れよ。」
「わかってる。」
誰かを探して見つからず、肩を落とす及川。
そこへ珍しく影山が、話しかける。
「大丈夫ですか?顔色が…。」
「まぁね。寝られなかったし…。」
影山が、Aさん?と聞けば…
怠そうに及川は頷いた。
「昨晩、ケンカしちゃったんだよね。」
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作者名:色葉怜 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2014年12月31日 22時