#055 α× ページ26
「及川さん、岩泉さん、お疲れ様です。」
「あ、国見ちゃん。お疲れ〜。」
「お疲れ。」
神無は、天星より後に練習が終わり
各自、部屋に戻る。
「…これ、何?」
床に落ちている一枚の写真…。
後ろ姿のAAと、
隣に立つ、因縁の相手。
中学、高校といつも追いかけていたその背中が
Aの隣に並んでいる。
「どうした?」
佇む及川に、岩泉が声をかけた。
「なんでもないよ〜。」
すぐさま作り笑いをして、こっそり写真を手に隠し持った。
岩泉に、国見に、見つからないように…
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連んでいたギャル仲間、二人は
神無の及川徹によって脅され、マネージャーを辞めてしまった。
それに、従姉妹の希良梨ちゃんは
”シークレットガール”のAAに彼氏を取られてしまった。
何だか、やられっぱなしじゃん…うち…。
だから…
「……やられたら、やり返す。」
及川徹がAAを溺愛しているが、
どこかAAは冷めているのだ。
そこを、突いてやる。
及川が、落ちている写真を手に取るのを確認した後、沙美田 シュリは姿を眩ました。
「……彼女の、元カレ事件について。なんちゃって。」
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部屋に戻れば、きっとAがいるだろう。
そう考えた及川は、人がいない空き部屋へと
足を進めた。
先程、拾った写真。
…髪の短いA。
1年程、前か…?
「…もしかして…。」
「そのもしかして、だったりして。」
背後から声がし、パッと振り返る。
「どーも。及川徹さん。
____それ、なんの写真か分かる?」
ゆっくり口角を上げ、ニヤリと微笑む。
「貴方と付き合う前は、国見くん。
では、その前は?…ってクエスチョン!」
『その人はダァレ?』
その人は…自分が欲しがったモノを持っていた。
その人は…常に自分の先を進んでいた。
その人は…
「”牛島若利”…………。」
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作者名:色葉怜 | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2014年12月31日 22時