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「織田さん!これ、お土産です!」
赤レンガ倉庫内にあるケェキショップで、織田さんに数日前に行った山梨の遊園地のお土産を渡す。
今日は、付き合い始めてから初のデェトだ。
自然と気分が浮足立っている。
「ああ、ありがとう。どこに行ってきたんだ?」
それに対して織田さんは通常運転で、『富士問lowランド』と書かれたクッキーの入った箱を受けとった。
私としては、気合を入れてきた髪形や服を誉めてほしかったのだが、織田さんは『女性』というものに慣れていないため、それをどう伝えればいいのかわからないだけだと知っている。
「山梨にある遊園地です。近くで殺人事件があって、それを解決した帰りに寄ってきたんです」
「ああ、お前のいとこの手伝いか」
珈琲を飲みながら、『なるほど』といった風に織田さんが頷いた。
「そうです。一日で解決しちゃったので、遊園地に寄り道してきました。兄ちゃん、すごいんですよ。あ、子供たちの分も入ってます」
「悪いな」
やけに大きなクッキーの箱を、疑問に思っていた織田さんに補足を言う。
「いえいえ、私が好きでやったことなので」
ニコニコ笑いながら、チョコレートケーキを頬張る。
織田さんが調べてくれたこのお店はおしゃれうえに、紅茶も珈琲もケェキもおいしく、いるだけで幸せな気持ちになれる場所だ。
まあ、私としては、近くに織田さんがいてくれれば、それが例えば銃撃戦のど真ん中であっても私は幸せなんだと思う。
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作者名:あき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fallHP/
作成日時:2020年1月29日 20時