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「話しかけないほうが良かったか?」
友人二人の背中を見つめながら織田さんが言った。
「いえ、全然!!」
とっさに大きな声が出てしまい、恥ずかしくなる。
「だが、あの二人と何か話していなかったか?」
「いえ、気にしないでください」
「そうか?」
「はい。もうくっだらないことでしたし、あの二人もこの後予定あるみたいで、もう終わりにしようと思ってたところなので」
「ならよかった」
と、織田さんは私の大声なんか気にせずに、どこか嬉しそうに言った。
「ところで、どうしてここに?」
「近くで仕事だったんだ。お前が通っていると聞いていた学校が近いし、今日は金曜日だから寄ってみたんだ」
そう言いながら、後ろに止めてある車を指した。
「フリーダムまで乗っていくか」
言われるとは予想していたが、実際言われてみるとなんだか気恥ずかしくなり息をのんだ。
「い、良いんですか?」
「良くなかったらここまで来ていない」
「そうですよね」
織田さんの車に乗れるまたとないチャンス。
「では、ぜひ、お願いします!」
「ああ」
これは、本当に『脈あり』と思っていいのか……な?
助手席に乗り込み、シートベルトを締めながら織田さんの横顔を見上げる。
「どうかしたか?」
「い、いえ。何でもないです」
顔が赤くなっていないか心配になり、顔をそむけた。
どうか、気づかれませんように。
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作者名:あき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fallHP/
作成日時:2020年1月29日 20時