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「待て。ではつまり、俺を一目見た時から、ここの二階に俺が預かっている子供がいることを知っていて、なおかつ俺がマフィアの人間で、人を殺さないと決めているということも知っていたのか?」
織田さんが、驚き慌てた様子で問いかけてきた。
「はい。たまに足音が聞こえるんですよ、上から。
だから、子供がいるのはわかってたんです。
大人なら、もう少し静かに過ごすでしょうし、この建物の持ちの主はおやじさんですし、おやじさんの店に迷惑をかける真似はしないと思います。
それに足音も複数聞こえるので、だいたい九歳から四歳までの子供が何人か。
人数まではわからなかったので、そこはたぶん、いとこに怒られちゃうと思うんですけど。
それはともかく、おやじさんも人がいいので引き取った子かなぁって思ったんですけど、それだったらお店の手伝いをさせるはずなので、もしかしたら常連の子かなぁと思ってました。
決定打になったのは、織田さんがおやじさんに渡した茶封筒です。
カレーのお代にしては多いし、織田さんがおやじさんに借金するような人には見えない。
けど、何かしら目的があって渡している。
なら何か。
心当たりがあるとすればただ一つ。
子供の生活費です。
それから……」
「わかった、わかった」
そこまで続けて言うと、織田さんに遮られた。
おやじさんは、何やらぽかんとした顔をしている。
「子供たちのことはわかった。なら、どうして俺がマフィアの人間だと気づいた?」
どうしてそんなわかり切ったことを聞くのだろう?
そう思いながらも、新たな問いかけに私は変わらず答えた。
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作者名:あき | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/fallHP/
作成日時:2020年1月29日 20時