49 他人事 ページ8
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ユンギさんからわたしの目が覚めたと報告を受け、家族が交互に様子を見にきて、泣きながら抱きしめてくれた。
「心配かけてごめんなさい」
それをなぜかわたしは他人事のように感じていた。
心のこもらない声音で返し、皆んなとの温度差があった。
頭を何針も縫う手術だったらしい。けれど、なんとか頭の骨の骨折や脳への衝撃は大丈夫だったようで、その他数値も良好。
点滴も取れ、あと数日経過観察すれば帰宅して大丈夫。とのことだった。
まだ術後の頭は痛むけれど。
ジョンユくんはあの後道ゆく人に通報され、現行犯で逮捕されたらしい。
逮捕当時のジョンユくんは、逃げようとする素振りもなく、ただ。わたしを抱いて、「愛している」と譫言のように繰り返していたらしい。
後半部分はユンギさんは教えてくれず、後々ネットの記事で見たものだ。
「キムソクジンに聞いた」
もう明日退院だと言うその日。
そとは雨こそ降っていないものの曇天で。
今か今かと雨が降るのを待ち構えているような。
ベッドから体を起こしたわたしに、ユンギさんは丸椅子に座って、脚に肘を乗せ、額の前で指を組んで俯き、ぽつり、ぽつりとはなし出した。
「キムジョンユからストーカー被害に遭ってたって。家に来られて、手まで上げられて、なんでおれに言わなかった？」
ゆんぎさんの声は暗かった。悲しんでいるのか。怒っているのか。よくわからなかった。
「⋯⋯⋯心配、かけたくなかったんです」
「心配かけたくなかった結果がこれかよ。それで？ 他の男には相談しておれに報告もなく2人で酒まで飲んで」
「負担になりたくなかった。」
わたしの言葉に、ユンギさんが少しだけ、苛立ったのが見て取れた。
そして。
「お前のそういうところが負担に感じるんだよ。」
ユンギさんの吐き出した、重い声に、全身が凍りついたようだった。
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苺あめ(プロフ) - 毎回楽しみでした。彼女とユンギの出会いが気になりました。一度無くした信頼はなかなか取り戻せないですよね。でも『続く』ってなってたので、また物語が始まるのを期待してます。 (2月7日 11時) (
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作者名：しろい
| 作成日時：2024年1月19日 22時
