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第百二十七話 ページ40

「_________……昴さん?」









何時ものように夜がきた。フッと、蓙の上で目を覚ます。襖は開いており、満月が覗いていた。


半身だけを起こし、辺りを見渡すが、昴さんの姿が見当たらない。









「(……居ない?)」









立ち上がり、縁側に出る。しかしやはり彼は居ない。正直、ここの家の構造は分かっていない。


だから昴さんが何処に居るのかも、見当がつかなかった。









「(弱りましたねぇ…)」









左右を見、彼が居ない事を再度確認する。



そして諦めて彼を捜すことにする。縁側を歩きだせば、少しだけギシ、と軋んだ。








中の廊下を歩けば、幾つか襖があった。が、勝手に開けるわけにもいかず、声をかけながら歩き続ける。









「…?」









一番奥の部屋。襖が僅かに開いていた。





嗚呼、あそこに居るのか。


明かりはついていなかったが、直感的にそう思った。









「……昴さん?」









隙間から見ればやはり彼が正座をして、こちらに背を向けていた。私が声をかければ、少しだけ顔を動かす。









「入ってもいいですか?」




色「……嗚呼…どうぞ…」









部屋は四畳よりも少し小さい。何だかこじんまりとしている。


昴さんは藍色の着物に羽織を肩からかけている。しかし、未だに背を向けているので顔が伺えない。









「何をしていたんです?」




色「……ちょっと、考え事を。」









彼は肘をつき、顔の前で両手を絡ませ、手の甲に額を乗せている。うつむいているが、何か様子が可笑しい。


よく見れば汗が伝っており、呼吸が浅い。









「あの…大丈夫ですか?顔色が悪いようですが…」




色「ええ…少し、気分が優れなくて…」









「でも大丈夫ですよ」と力なく答える昴さん。




私は部屋をぐるりと見渡した。左右は本棚で敷き詰められており、彼が座っている前には机がある。


目の前にはひとつの、大きな丸窓障子があった。









「(まるで小説やドラマに出てきそうな部屋ですね…)」









そう思い、埃ひとつない本棚を指先でなぞった。

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グロリアス(プロフ) - シノンさん» コメントありがとうございます!そう言ってくれて嬉しいです! (2018年6月6日 19時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
シノン - イラストとても上手いです! (2018年6月1日 16時) (レス) id: 54e5a78be6 (このIDを非表示/違反報告)
グロリアス(プロフ) - シノンさん» コメントありがとうございます!更新遅いかもしれませんが、頑張ります…!(・ω・´) (2018年5月3日 14時) (レス) id: d08f55f347 (このIDを非表示/違反報告)
シノン - 面白いです。更新頑張ってください! (2018年5月2日 17時) (レス) id: 54e5a78be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:グロリアス | 作成日時:2018年4月28日 11時

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