60.あでぃしょなる・たいむ！ with 蘭世 ページ50
SIDE：黒名
俺たちのチームは、悪循環の日々だった。
1人がヤケになってまとまらなくなる。
だから点が取れず負ける。
だからヤケになる。
こんな毎日。
結局のところ、俺が得点王として2次選考へ進出。
チームメイトは明日から“元”チームメイトになってしまう。
なんで俺が、と悔しがる者もいた。
俺の分まで頑張ってくれよ、と目を腫らして激励をくれる者もいた。
どちらにせよ、体が重かった。
＿＿＿＿＿
脱落決定者よりも眠れない夜が来た。
まだ残る罪悪感。
俺が奪った。蹴落とした。
アイツらの夢を、希望を。
俺だってひたむきに取り組んできたはず。
それなのに罪悪感と自己嫌悪が止まらない。
いっそのこと罵ってくれればよかった。
なんでお前なんだと、責めてほしかった。
ふざけるなと、嫌ってほしかった。
でも、誰1人、俺を責めなかった。
嫌いでいてくれなかった。
その優しさが、俺をどん底へ突き落とした。
(……駄目だ、眠れない)
取り敢えず、水でも飲んで落ち着こう。
チームメイトたちから小さく零れる嗚咽には気づかないフリをして。
「……?」
食堂につくと、誰かの明るい声が聞こえた。
『わ、懐かし〜!!』
「!!」
間違いない。ずっと聞きたかったあの声は。
「……A?」
『!?』
驚いた顔さえも愛おしい。
俺は、こんなに重いヤツだったか?
『あ、蘭世!!』
「久しぶ、り……」
『?』
いつものように近づこうとして、あの事件を思い出す。
Aにだけは、嫌われたくなかった。
「……ディスタンス、ディスタンス」
『大丈夫だよ、蘭世』
「!?」
『私なら、もう大丈夫』
「……そう、か」
“大丈夫”という言葉に少し安心感を覚えて、いそいそと近づき、腰を下ろす。
「で、それは何だ?」
『これ? アルバムだよ。出てきたからって、お母さんが送ってくれたの』
「送る……って、ブルーロックに?」
『そう! びっくりしたよ〜』
「驚愕、驚愕」
行動力が凄いというか、普通はそんな発想をしないだろう。
なかなかにすごい母親なのかもしれない。
好奇心が勝った俺は、一声かけてからパラ、とアルバムをめくる。
小さいA……良き、良き。
ふと、男子と写っている写真を見つけた。
男子が写っていることに少し嫉妬しつつも、Aの話を聞いた。
凄く楽しかった。
気が紛れ、体が軽くなった気がする。
今夜はよく眠れそうだ。
＿＿＿＿＿
続編移行します!
応援ありがとうございます!
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使い古した絡繰り人形 - はじめまして! 気付くのが遅くなってしまい、申し訳ありません･･･。もちこさん、コメントありがとうございます! これからの展開もご注目ください! これからもお楽しみに! (11月1日 16時) (
レス) @page1 id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
もちこ - はじめまして！ 作品を読ませてもらいましたが……とっても面白かったです！！これからも楽しみにしています。 (10月20日 18時) (レス) id: 6a0884a222 (このIDを非表示/違反報告)
使い古した絡繰り人形 - もこさん! 2度目のコメントありがとうございます! なるほど･･･確かにそれも良いですね! 色々と試行錯誤してみます! ありがとうございます! これからもお楽しみに! (10月7日 21時) (レス) @page33 id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - 出来たら落ちはなしか愛されエンドで完結したあとに他の人の落ちを書くというのはどうでしょうか？いきなりすみません。更新頑張ってください！ (10月7日 20時) (レス) @page33 id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
使い古した絡繰り人形 - もこさん! コメントありがとうございます! 更新も頑張っていきます! どんどんキャラが増えていきますよ〜、これからもお楽しみに! (9月28日 21時) (レス) id: 28472857ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：使い古した絡繰り人形 | 作成日時：2023年9月18日 11時
