違います居候です。 その2 【ブルーロック】

57.お手を拝借 ページ47

SIDE：A



















『……いよいよ、最終戦……』



















ごくり、と喉を鳴らす。



















理容師初仕事から一夜明け、今はチームZとチームVの最終試合を見に来ていた。



















『救急バッグ良し、データ良し、時計良し。うん、準備万端』



















フィールドにまず現れたのは、潔さん擁するチームZ。



















「ねぇ潔」



















「!」



















「負けたら逢えなくなって、一緒にサッカー出来なくなるのかな?」



















「蜂楽……」



















「そんなの寂しいから、俺、頑張る」



















「おう、勝つぞ!」



















続いて、御影先輩率いるチームVも入った。



















「良いか凪……最終戦、絶対勝つぞ」



















「ねぇレオ、なんでそこまで必死なわけ?」



















「あんだけ煽られたら腹も立つだろ? それに無敗記録に傷がつくなんて俺は嫌だ」



















「ふーん……まぁ、俺もAとゲームしたいし。そこそこで頑張るよ」



















「あぁ、お前はそれで良い……勝つぞチームV!!」



















「「「ウオォォォ!!!!」」」



















(いよいよだ＿＿＿＿＿)



















あと少しで、彼らの運命が変わる。



















チームVが安定の勝利を見せるのか。



















チームZが意地を見せるのか。



















こんな場面なのに、昂ぶっている。



















(私も大概、エゴイストね)



















さぁ、私に魅せてみて。



















各々の未来が変わる試合まで、あと10秒。



















“お手を拝借”



















試合開始まで、あと＿＿＿＿＿



















3



















2



















1



















ピーッ!!!!



















KICK OFF!!



















『思う存分踊って下さいね、エゴイスト(皆)さん』



















パン、と手を叩く音が聞こえた。

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