義兄から託された想い (ページ5)

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第3話名無しの手紙ページ5

私の机の引き出しには1枚の封筒が入っている

送り主の名前は書かれていない

ただ、直感でこの封筒の送り主はロシーだと思った

この封筒が送られてきたのはロシナンテが亡くなってから来たもので、私はそれから11年もこの封筒を開けずに持っている

シンプルな封筒

Aへ…としか書かれてない

未だに、封筒の中身を見てないのは自分自身が怖いと感じるかもしれないからだ

ロシナンテが亡くなって随分経った

この封筒は遺書なのかもしれないと何度思った事だろう

出来れば、開けたくない

それでも、今日開けて読もうと心に決めた

封筒とペーパーナイフを机の上に出して置き
『ﾌｩ…』と1度深い息を吐く

ﾋﾟｯっと閉じられていた封筒をナイフで切り開き、中に入っていた手紙をとりだす

ｶｻ…

紙と紙が擦れる

手紙は2枚入っていた

私あてに書いたものと、センゴクさんにあてたもの

センゴクさんあてのは実にシンプルで自身を育ててくれた事の感謝が綴られてる

『兄さんらしいな…』

なんて呟きｸｽﾘと笑う

私あてのは共に旅をしていた子供の事が書いてあった

多分、自分が死んだ時、私が代わりになってほしいと願ったのかもしれない

名前は書かれてないが、細かい事まで書かれていたが、なぜか所々〝クソガキ〟と書かれていて(やんちゃな子なのかな？)なんて思った

ロシーがそんな汚い言葉を使うのは珍しいと思いながら、最後まで読むと

〝俺と家族になってくれてありがとう！愛してる!!〟

って書いてありそんな綴られた言葉にポタポタと涙を流しながら

『そんな事、私が言うべきなのに…！』

突然連れ帰ってきたなんの接点もない私に優しくしてくれた義兄

義理の兄妹だけど、本当に嬉しかった

『私こそ、貴方の兄妹にしてくれてありがとう』

窓の外を見やりながら今日も青々と広がる空に兄を思い浮かべる

『さて、この手紙をセンゴクさんに渡してこなくちゃね』

センゴクさんもきっと涙を流してくれるだろう

だって、私たちの愛しい家族から来た最期の送り物だから…

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はい、作者です。

ロシナンテが亡くなる前にセンゴクさん達に手紙を書いてたら…と、ふと思い書いたものです

センゴクさんとロシナンテって多少なりとも似てる所あるなぁ…なんて思いました笑