訳あって魔法少女やってますが男です。【男主】

2st ページ2

「というか、流石ですね貴方」

『え、何？

よく分からないけど褒めてる？』

「けなしてるんですよ。

アラサーになってまで、女の子に対してあんな対応取ってるなら世も末ですね」


その目をどうかやめてください。

思いっきり蔑んだ目をどうかやめてください。

精神が、精神がやられる。


「貴方、次の誕生日で三十になりますよね」


また溜め息交じりに言われた言葉に『あ、嗚呼、うん』とぎこちなく返す。

すると彼女は指折り数えて。


「……後十か月で、貴方は魔法少女になります」

『あー魔法少女……、ん？』


え？魔法少女？


『え、ちょい待ち、魔法使いじゃ無くて！？』

「魔法使いセットが現在、魔法使いの増加であんまりないんですよね。

まぁ、女って詐称してても誰も気にしませんよ」

『俺が気にするんだよ！』

「で、これがそのセットです」


嗚呼そうですか無視ですか。

そんなナチュラルに「聞こえません」的な態度を取られるとさ、俺メンタルガラスのハートだからさ。

きゅっ、ってなるんだよ。

きゅっ、て。


目の前に出されたのは、紫色の……、女が耳に付けるアクセサリー。

なんだこれ。


「イヤリングです。

そんなことも知らないから、貴方は魔法少女候補になるんです」


……わっと？

やばいな、意味が分からなすぎて表記が平仮名になってしまったよ。


『え、どういうこと？』


不思議に思って聞くと、彼女はじっとりと俺を睨みつけるなりこう言った。


「拗らせに拗らせた男は、魔法使いになる。

知りませんか？

……今日から貴方は「魔法少女見習い」です」

3st→←1st

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す