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第三十四話 ページ39

流暢なイタリア語。

俺を見つめる視線が熱くて、優しくて。


『結婚って……。

付き合ってもないのに気が早すぎでしょ、葵さん』

「今までが付き合ってたようなものだろ、一緒に暮らしてた」

『だとしても俺はそう思ってなかったよ』

「それでいいんだよ」


かつん、と葵さんの革靴が近づいてくる。

そして、俺に薔薇の花束を押し付けるようにして渡した。


「今から意識してくれれば」

『今から……』

「嗚呼」


花束に顔を近づけて、すん、と匂いをかぐ。

ほんのりとした甘い匂いが、俺の鼻を擽った。

心がふわふわ浮足立って、思わず頬が緩んだ。


『綺麗、です。

ありがとうございます』

「……今、やっと笑ってくれたな」

『え?』


確か、一度この人の前で笑った気はするんだけど。


「前の時は苦しそうだった。

でも今は……、幸せそうだ」

『……』


黙り込む。

視線を地面に落として俯いた。

葵さんが、俺の髪をさらりと梳いた。


「A」


貴方が俺の名前を呼ぶ。

ごくり、俺は唾を飲み込んだ。

ゆっくりと、顔を彼に向ける。


「お前の「答え」を知りたい」


俺の答え?

そんなもの、とっくに決まってしまっている。



『……俺も、俺も好きだよ葵さん。

だからずっと、俺の傍に居て。』

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ぱあだよ - ア"ぁ"ずぎいいいいい!!!!!! (2020年8月12日 22時) (レス) id: c34795aa39 (このIDを非表示/違反報告)
空弥@ロザリオ(プロフ) - BLACKMOONさん» 返信遅くなりました、ありがとうございます!いえいえ、妄想を詰め込んだだけですよ〜w (2018年12月8日 10時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
BLACKMOON - 物凄く面白かったです。私も最近文をあげ始めたのですが、まだまだだな〜と思いました! (2018年12月4日 20時) (レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
空弥(プロフ) - soraくんさん» 返信遅くなりました、ありがとうございます!BL好きじゃない方に面白いと言ってもらえたのはめちゃくちゃ嬉しいです…… (2018年10月9日 0時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
soraくん(プロフ) - すごく素敵です。私はBLが好きではないんですけどこれは面白いです!!漫画化して欲しい…… (2018年9月24日 19時) (レス) id: 0ca2962a8b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空弥 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年9月11日 23時

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