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第一話 ページ1

「……甘ったりぃ」


目を閉じていた俺は、煙草の煙を吐き出してから薄く目を開けた。

紫煙のほろ苦い匂いが一度鼻を突き、そしてそれはもう一つの独特な香りに掻き消された。

俺はまだ残った煙草を灰皿に押し付け、火を消す。


この辺りに充満する甘くくらくらする匂いは何処が発信地だ。

ふと、隣でスマホを弄っていた筈の同僚を見れば、熱に浮かされたような表情。

目はぎらぎらと獣のように、唇の隙間から見えた犬歯は鋭く尖っていた。

肩で荒く息を吐く姿は、まるで獲物を狙う狼そのもの――


びくん、と自分の身体が熱を帯びる。

いけない、と鼻を手で覆ったが遅かった。

とある男が前を通り過ぎた瞬間、とびきり甘い匂いが俺に襲い掛かった。

熱はすぐ身体の下のほうにに集まってしまい、眉間に皺を寄せる。

額から零れ落ちる汗をそのままに、平静を取り戻すよう務めた。




「……あー、もうダメ」




ふと、隣の男が動いた。

足早に相手の男に駆け寄り、その腰に手を回す。


「どーしたの、誰かに用でもあった?」


優し気にそう語りかけはするが、その手がやらしいのを俺は見逃さない。

……するのだろうか。

彼が行為を拒んでも無理矢理に。

社会的優位な地位を利用して、アイツは獣に成り下がるのだろうか。


「……やめよう」


額の汗を手の甲で拭う。

視線を下に落とした瞬間、俺は罪悪感に駆られながらトイレに行くことになる。


所詮は俺もアイツと同じ「α」という生き物だ。

「Ω」に無理強いしてまでしたい、というわけではないのだが、何処までが自分の限界なのかと日々思うのだった。

第二話→



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空弥(プロフ) - 桜坂さん» わああああ、よきですよきですっ。電車でイチャイチャしてるところめっちゃ書きたいです……。ありがとうございます、更新ゆっくりですが、お付き合いいただけると嬉しいです (2018年11月10日 21時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
桜坂(プロフ) - 以前コメントさせて頂いたものです!デートの案なのですが遠出して海を見に行くなどもいいのではないでしょうか?電車の小話とかも出来ますし、それとこれからもゆっくり頑張ってください (2018年11月7日 19時) (レス) id: 96c3d36cf4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼紫(プロフ) - 希羽(  ̄▽ ̄)さん» 18↑のほうに書いてます。オブラートに包んでないので(汗)18になってからまた読みに来てください! (2018年9月9日 14時) (レス) id: 87c9fca00c (このIDを非表示/違反報告)
希羽(  ̄▽ ̄) - 第17話の間の話って、18↑ですか? (2018年9月9日 12時) (レス) id: 0d606e3b63 (このIDを非表示/違反報告)
希羽(  ̄▽ ̄) - もう最高ですぅぅぅ、、、。  私まだ18↑読めないんですよね、、、、。残念過ぎます、あと何年だろう。 (2018年9月9日 12時) (レス) id: 0d606e3b63 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空弥 x他1人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年8月24日 21時

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