9、仮契約 ページ9
吸血鬼なんだとかの説明が一通り終わった中、真昼は溜め息をついて私を見た。
「取り合えず、雪は何もされてないな？」
『うん』
説教されているように頷けば、真昼はまた溜め息をついて今度はクロを見た。
そして
「まぁ……じゃあ"クロ"、とにかく今は───」
『あ』
……そしてこの時、私はやっと気づいた。
もうすでに、何か起きてしまった。
青い光がクロの首もとに光り、それは真昼にも影響を及ぼしている。
それからすぐに青い光は消え、訳の分からないといった顔をした真昼と呆れすぎているクロが目に入った。
『あ……えっと…言い忘れてたんだけど……その姿の時は名前呼んじゃいけないらしい』
「遅いわ！！！」
…こうして、静かな空気の中真昼が私に言った言葉がやけに大きく響いたのだった……
─────────────────────
あれから。
ダルそうな顔をしたクロは仕方ないとでも言うように説明してくれた。
どうやらクロは飼われる専門の吸血鬼らしく、契約した主人の血だけを飲み、主人に従うらしいのだ。
そして、さっき真昼が名前を呼んだ事によって、仮の契約が出来てしまったらしい。
まぁでも、今から24時間の間にクロが真昼から血を貰わなければ、それも平気らしいのだけど。
…取り合えず、本当に大事な事を言い忘れていた私を殴りたいものだ。
そして、クロは真昼と一定以上離れられないという決まりがあったので、私達は皆して溜め息をつきながらも自由に過ごしていた。
すると真昼が思い出したように私を見て口を開いた。
「そう言えば、龍征と虎雪にカラオケ誘われてて、雪も誘ってきてなんて言われたから、行くか？」
『あ、うん行く行く……でもクロは？』
「…仕方ないから連れていくしかないよな…」
そんな誘いがあったとは思わずに夜ご飯を作り始めていた私は慌てて出掛ける準備を始めた。
クロも、ちょっと心配だったけど連れていけばいい話だからね。
そう思いながら、私はごろごろ寝っ転がるクロの服の襟を引っ張った。
『ほらクロも、行くよ』
「…めんどくせぇ…俺は行かな──」
『無理矢理にでも連れていくからねー』
「わっ…お前なぁ…俺は日光が──」
『駄目なんでしょ、バックに入ってなさい』
嫌がるクロを本当に無理矢理引きずって、私は歩き出した。
─作者から─
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怜衣(プロフ) - 連投失礼いたします。17話まででべルキアが椿のことを「椿」と言っていることが気になりました。以降は直されているみたいなので、ご報告だけしておきました！ (2017年4月26日 18時) (
レス) id: f61c514b96 (このIDを非表示/違反報告)
怜衣(プロフ) - 初めまして！読ませてもらっているのですが、少し気になることがありまして...。べルキアの椿の呼び方は、つばきゅんではないでしょうか？ (2017年4月26日 18時) (レス) id: f61c514b96 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ユイさん» ユイさんへ♪お返事遅れてすいません！いつも見てくださりありがとうございます！頑張ります！ (2016年9月6日 21時) (レス) id: b0ed99a4e9 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - いつも見てます。これからも頑張ってください!! (2016年9月4日 14時) (レス) id: 20080c7ffa (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 主夫LOVEさん» 主夫LOVEさんへ♪ほんとですか！嬉しいですありがとうございます！ (2016年9月4日 0時) (レス) id: b0ed99a4e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪 | 作成日時：2016年8月18日 22時
