30、急変 ページ30
広すぎる御園の家を歩いていると、リリイが不意に口を開いた。
「そう言えば、あの手品師の時も私が一肌脱いだのですよ」
聞くに、皆が記憶をなくしていたのはリリイのおかげだったらしい。
私の記憶だけ残していた理由は、教えてくれなかったけど。
それでもその事を聞いて、何だか安心した。
良かった、仲間がいて。
そうホッとしながらも、私達はある部屋へと通された。
馬の銅像がある部屋。
またまた広くて何だかずっと感動していた。
しかし
「と、まぁ。雪さんの話をしたいのは山々なのですが、先に私達のお願い、聞いて頂けますか？」
感動していたのも束の間。
今入ってきた大きな扉が突然しまって、私や真昼やクロは同時に後ろを見た。
というか、リリイ達のお願い？
何なのだろう。
そう少し焦って思うと、御園が特徴的な椅子に座りながら話し出した。
どうやら御園はあの椿との戦いの時に、真昼が反撃出来なかった事に納得いっていないようで。
いきなり御園はしもべになれなんて言い出したのだ。
それには勿論私達は驚いて、言葉を詰まらせる。
だって、急にそんな事言われても、大人しくうんなんて言える筈ない。
『御園、何でこんな事を…？』
取り合えず力ずくで言うことを聞かせようとする御園にそう問いかければ、彼は私を見て口を開いた。
「如月、貴様に関しては捕らえるためにここへ連れてきた」
『はぁっ！？』
全然答えになってない事を言った御園に思わず変な声を出せばリリイが不意に笑った。
「すいません、貴方はとても重要な人物なのですよ。だから私もなるべく平和に解決したいので大人しく捕まってくれませんかね」
いや色々おかしい！
それに大人しく捕まりたくありません！
そう思いながら私は真昼とクロの手を掴んでとにかくリリイから離れた。
そして少しずつ扉の方へと寄っていく。
『ねぇクロこれどういう事？知り合いでしょ…』
「いや俺にも分かんねぇ…向き合えねぇよ」
そして、クロと少しだけ会話をして意識がそれている内に…私は扉を開け放って真昼とクロを半ば引きずるようにして引っ張っていった。
後ろから御園の声が聞こえたけれど、なんか色々とまずい気がしたのでここは逃げるが勝ちだろう、と思って出口へ走って行った。
「折角仲間が出来たと思ったのに、雪を捕まえるとか何だよ！」
そして走っている中真昼はこう悔しそうに言ったのだった。
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怜衣(プロフ) - 連投失礼いたします。17話まででべルキアが椿のことを「椿」と言っていることが気になりました。以降は直されているみたいなので、ご報告だけしておきました！ (2017年4月26日 18時) (
レス) id: f61c514b96 (このIDを非表示/違反報告)
怜衣(プロフ) - 初めまして！読ませてもらっているのですが、少し気になることがありまして...。べルキアの椿の呼び方は、つばきゅんではないでしょうか？ (2017年4月26日 18時) (レス) id: f61c514b96 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ユイさん» ユイさんへ♪お返事遅れてすいません！いつも見てくださりありがとうございます！頑張ります！ (2016年9月6日 21時) (レス) id: b0ed99a4e9 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - いつも見てます。これからも頑張ってください!! (2016年9月4日 14時) (レス) id: 20080c7ffa (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 主夫LOVEさん» 主夫LOVEさんへ♪ほんとですか！嬉しいですありがとうございます！ (2016年9月4日 0時) (レス) id: b0ed99a4e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪 | 作成日時：2016年8月18日 22時
