27、色欲 ページ27
またまた叩かれて頭をさすりながら御園を見ると、いきなり何処からか声が聞こえた。
「すいません、御園は素直じゃないんですよ。如月雪さんに城田真昼くん」
『…また私の名前…』
声のした方を見ると、声の主は綺麗な羽を揺らしながら御園の頭に止まった。
…そう、声の主は蝶であったのだ。
綺麗な蝶。
そう感じて、私は御園を見た。
『御園御園、凄い似合ってる』
「はぁ!?貴様突然何を──」
御園を見たら何だか凄く可愛かったので、私は少し微笑んで指を指した。
すると、彼は今気づいたようにまた怒り顔になる。
多分、この蝶が色欲のサーヴァンプなんだろう。
何となくクロと同じ気配がして私は怒る御園を見た。
「だから髪に止まるなと言ったろ!リリイっ!」
そして
御園に怒られた蝶は笑いながら人間の姿になったのだった。
これが、色欲のサーヴァ───
「どうも初めまして。私が色欲のサーヴァンプ、スノウリリイと申します。宜しければ、一肌脱ぎましょうか?」
「雪見るな!」
.
.
何だか、見間違いかも…見間違いかもしれないけれどかなり露出度が高い人間がいた気がした私。
でもほんと見間違いかもしれないので、私はすぐに目を隠してくれた真昼に話しかけた。
『真昼、ほら色欲のサーヴァンプだって。挨拶しよう』
「駄目駄目絶対駄目雪は!」
「脱ぐなリリイ!」
私が真昼に声を掛ければ彼に続いて御園がなんか言っていたけれど。
…このサーヴァンプ大丈夫なのだろうか、色々な意味で。
クロで慣れすぎて少し驚いてしまった。
『…ねぇクロ、私なんか今、脱ぐ人よりまだ引きこもり吸血鬼で良かったって思ってる』
「…何言ってんだ頭おかしくなったか?」
『………』
クロに少しだけ助けを求めたものの、逆に悲しい事を言われて私は苦笑いした。
とにかく
『初めまして、雪だけど。…貴方かな、私の名前を知ってたのは』
しっかりとリリイにこう挨拶すれば、彼は微笑みながら私に頭を下げてきた。
…しっかりは、しているらしい。良かった。
「初めまして雪さん。こうして会える日が来るとは思ってもいませんでした。貴方の名前はサーヴァンプなら大抵の人が知っていますよ。有名ですからね、雪さん」
礼儀正しくこう言ってきたリリイに、私は眉を寄せた。
何故、私がサーヴァンプの中で有名なのだろう…と。
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怜衣(プロフ) - 連投失礼いたします。17話まででべルキアが椿のことを「椿」と言っていることが気になりました。以降は直されているみたいなので、ご報告だけしておきました! (2017年4月26日 18時) (レス) id: f61c514b96 (このIDを非表示/違反報告)
怜衣(プロフ) - 初めまして!読ませてもらっているのですが、少し気になることがありまして...。べルキアの椿の呼び方は、つばきゅんではないでしょうか? (2017年4月26日 18時) (レス) id: f61c514b96 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ユイさん» ユイさんへ♪お返事遅れてすいません!いつも見てくださりありがとうございます!頑張ります! (2016年9月6日 21時) (レス) id: b0ed99a4e9 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - いつも見てます。これからも頑張ってください!! (2016年9月4日 14時) (レス) id: 20080c7ffa (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 主夫LOVEさん» 主夫LOVEさんへ♪ほんとですか!嬉しいですありがとうございます! (2016年9月4日 0時) (レス) id: b0ed99a4e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪 | 作成日時:2016年8月18日 22時