13、食事 ページ13
走って角を曲がった所。
真っ直ぐ私には特徴的すぎるシルクハットが見えて、今すぐにでも友達を殺そうとするその男に勢いよく飛び付いた。
「雪先輩！！」
『逃げて！龍征連れて逃げて！お願い！！』
シルクハットの男に飛び付いた瞬間、虎雪が私を見て泣きそうに頷いた。
だけど虎雪だって吸血鬼に慣れてる訳ない。
必死で龍征を担ごうとしてるけど、その手は震えていた。
……私もほんの少ししか時間稼ぎは出来ない。
どうか、どうか友達2人だけでも助けて神様。
そう深く願った時、
私はシルクハットの男に腕を掴まれた。
「君から来てくれるなんてねェあはははは！！こんなに近い距離だからほら、君から嫌って程の素晴らしい血の匂いがするよォォ〜！！」
そして、その腕は離されることなく、逆にその場にねじ伏せられてしまったのだ。
「……雪先輩！！」
『私の事はいいから！早く逃げなさい虎雪！！』
そして私がそう虎雪に投げ掛けた時。
シルクハットの男の笑い声が聞こえて、頭をおさえられた。
「ちょっとォ、僕の事無視しないでよ！！……まいっかァー！君の血、死ぬまで飲み干してあげるからさ！！！」
『っ………』
そして、
シルクハットの男はそれだけ言って、まるでオオカミのように私へと牙を出してきた。
.
あぁ、私殺されるんだ。
それだけしか、本当に頭で考えられなくて、私は呆然としながらその牙を見つめていた。
…本当に、吸血鬼なんだ。
.
.
そしてそう思った瞬間。
.
.
「…勝手に死ぬ覚悟してんじゃねぇよ」
.
.
聞きなれた声がした。
そして、それと同時に私の上からシルクハットの男が消えたのだ。
「雪！遅くなってごめん！」
『真昼！危ないのに』
「それは俺からも言わせてもらう、雪は後先考えずに動きすぎ！」
死ぬ、ただそう覚悟していた私の前に、
なんとクロと真昼がやって来てくれたのだ。
そして、そのまま動けない私の前でクロとシルクハットの男は睨み合っていた。
「ちょっとォ、黒猫さんは引っ込んでてよね折角僕の特別なお食事時間だったのにさァァァァァアアア！！！！！」
「……あぁめんどくせぇ、下がっとけ」
そして、シルクハットの男はそう叫ぶとクロに剣を出しながら走り出した。
…それを私は、見ている事しか出来なかった。
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怜衣(プロフ) - 連投失礼いたします。17話まででべルキアが椿のことを「椿」と言っていることが気になりました。以降は直されているみたいなので、ご報告だけしておきました！ (2017年4月26日 18時) (
レス) id: f61c514b96 (このIDを非表示/違反報告)
怜衣(プロフ) - 初めまして！読ませてもらっているのですが、少し気になることがありまして...。べルキアの椿の呼び方は、つばきゅんではないでしょうか？ (2017年4月26日 18時) (レス) id: f61c514b96 (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - ユイさん» ユイさんへ♪お返事遅れてすいません！いつも見てくださりありがとうございます！頑張ります！ (2016年9月6日 21時) (レス) id: b0ed99a4e9 (このIDを非表示/違反報告)
ユイ - いつも見てます。これからも頑張ってください!! (2016年9月4日 14時) (レス) id: 20080c7ffa (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 主夫LOVEさん» 主夫LOVEさんへ♪ほんとですか！嬉しいですありがとうございます！ (2016年9月4日 0時) (レス) id: b0ed99a4e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪 | 作成日時：2016年8月18日 22時
