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──ケニー・スミス…、
たまに施設に来る大柄な男。
見た目は本当に熊を彷彿とさせる図体。
爽やかな笑みを浮かべるその目の奥には、ドス黒い何かが潜んでいると子供ながらに感じていた。
この男が来るのは決まって月初め。
いつも小綺麗なスーツを着て、施設の応接室で爺ちゃん達と大人の話をしている。
「…お兄ちゃん、またあの人？」
『あぁ、だから外で遊んでような。』
「私あの人嫌い…、なんか怖いの…、」
施設の中で末っ子のエミリアが俺の手を握りながら不安そうに下を向いている。
後ろにいたジョニーとクラインも、エミリアに賛同するように頷いた。
３人はきっと、ケニーが帰ったあとに爺ちゃんと婆ちゃんの元気が無くなるのを知ってるから、アイツが何かしてるんだと考えていたんだろう。
………けど、強ち間違ってない。
それを思わせたのは半年くらい前のことだ。
また月初めにケニーが訪問した日の夕飯時。
いつものように婆ちゃんと飯の準備をし、エミリア達と一緒に飯を食べて、シャワーを浴びて後は寝るだけという時だ。
自室に戻る途中で、爺ちゃんと婆ちゃんの部屋が少しだけ開いており、ついでにお休みを言おうと中に入ろうとした瞬間……、
『……………ぇ、』
ドアの隙間から見えたのは、１つのパンを半分にしてお互いに分けながら水を一杯飲む……、２人の食事風景。
腹の足しにもならないような質素な食事。
確かに最近食堂には同席はするけど、２人が食べてるところを見なくなったことは疑問だった。
歳を取ると食が細くなると聞いたことはあるが、それにしてもパンを半分と水一杯は子供でも異常だと思わせるものだ。
理由を聞こうとすると、婆ちゃんが肩を震わせて泣き出した。
「どうしましょう…、もうっ、売るものも無いわっ…！
このままだとあの子達が飢え死にしてしまう…！」
「……そうだね…。残るはこの懐中時計のみだ。
来月はこれを売ってお金にしよう……、」
「でもそれはアナタのお父様の形見よ？！
それだけは手放してはいけないわっ！！」
「仕方が無いんだ！でなければ子供達はどうなる？！
空腹に魘されて、苦しんで死ぬかもしれないんだ！！」
「前にケニーさんが言っていたじゃない！！
《裏に腕の良い医者がいるから、売るものがなければ紹介しよう。》って…！
私……、ケニーさんにその医者を紹介して──！」
「ソフィアッ！！それがどういう意味なのか…、わかっているのか？！」
。
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ミカン酢(プロフ) - ほわぁぁぁあ遂にｯｯｯｯ…遂にｯｯｯｯ…（泣）1番見たかった展開きてもう感涙ですｯｯｯｯ (3月31日 1時) (
レス) @page46 id: 33398c6647 (このIDを非表示/違反報告)
redapple(プロフ) - リュートが見てみたいです！無理でしたらすみません(＞人＜;) ミヤビさんの🚹🦌毎日楽しみにして読んでます！長文失礼いたしました！ (3月29日 22時) (レス) id: eb8f244850 (このIDを非表示/違反報告)
redapple(プロフ) - 初コメ失礼します！リクエストでもし可能でしたら本編のほうでアダムが殺されて泣き叫ぶリュートに対して嫌味と意地悪な気持ちをこめて心にもないことを言い放つ攻め主をみてみたいです！そしてそんな攻め主に対して悲しみと憎しみと言い返せない悔しさを見せる→ (3月29日 22時) (レス) id: eb8f244850 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤビ(プロフ) - うちのこきゃわさん» うちのこきゃわ様、コメントありがとうございます！彼はある意味良い仕事をしていたようで笑、今頃弄ばれてることでしょう (3月23日 0時) (レス) id: 8b80540195 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤビ(プロフ) - カモノハシさん» カモノハシ様、コメントありがとうございます！男主が推しであることやケニーに対して感情移入してくださりありがとうございます！カモノハシ様の鋏が汚れずに済んで良かったです笑 (3月23日 0時) (レス) id: 8b80540195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミヤビ
| 作成日時：2024年3月15日 12時
