犬の決断と準備 ページ32
.
チャーリーとヴァギーが予定より早く帰ってきた。
というより、２人の様子からすると"強制的"に帰らされたという感じだ。
チャーリーは帰ってきて早々泣きながら部屋に籠もってしまい、ヴァギーはそれを追い掛けることもなく俯いたまま壁に凭れ掛かっていた。
俺とアラスターはその光景を見てお互いに顔を見合わせる。
アラ「やはり上手くいきませんでしたね。」
『だな。』
天使側がチャーリーの企画をよく思わないだろうというのは内心わかっていた。
何があったのかは知らねぇが、アダム辺りが邪魔したんだろうな。
『ヴァギー！随分と早ぇ帰りだな！』
ヴァギー「………アンタ、わかってて言ってるでしょ。」
アラ「どうやら失敗したようですねぇ♪
一体天国で何があったのか…、詳しくお聞かせ願えますか？」
アラスターの笑顔を見たヴァギーは舌打ちしながら額に手を当て、ポツリポツリと事の経緯を話し出す。
・ハズビンホテルで更生した魂を天国へと送ればエクスターミネーションをしないで済むこと。
・天国と地獄は手と手を取り合って魂を救済すること。
・天国に導く為に必要なこと。
議題はだいたいこんな感じだったらしいが、アダムやアダムの側近であるリュートに阻まれ失敗した。
しかもヴァギーの正体が天使であり、元エクソシストだとアダムにバラされたようで、それを知らなかったチャーリーが酷く落ち込んで引き籠もったようだ。
アラ「どうりで天使達と同じような武器を持ってると思いましたよ。
何故隠してたんです？」
ヴァギー「言えるわけ無いでしょ？！
私は散々、罪人の魂を殺し続けた！！
それをチャーリーが知ったら……、考えただけで怖かった。
私が元天使だって気付いたのはAだけだよ。」
『俺は何度もアダムとやり合ってる。
だから天使独特の匂いってのを憶えちまったんだ。』
アラ「ワタシにコソッと教えてくれても良かったのでは？」
『ヴァギーの正体についてはヴァギーの一番の問題だ。
……お前が心の奥底に隠してるデッケェ問題みてぇにな。』
アラ「………いつから、」
『お前がハスクにキレた時に何と無く勘付いた。』
アラ「………、」
アラスターのステッキを握る手に力が籠もる。
相当触れてほしくない話題らしい。
『……で、あのアダムがヴァギーの正体を暴露しただけで終わるとは思わねぇんだけど。
まだ言うことあるよな？ヴァギー？』
ヴァギー「……アンタに隠し事は無理そうね。」
。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 235人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミカン酢(プロフ) - ほわぁぁぁあ遂にｯｯｯｯ…遂にｯｯｯｯ…（泣）1番見たかった展開きてもう感涙ですｯｯｯｯ (3月31日 1時) (
レス) @page46 id: 33398c6647 (このIDを非表示/違反報告)
redapple(プロフ) - リュートが見てみたいです！無理でしたらすみません(＞人＜;) ミヤビさんの🚹🦌毎日楽しみにして読んでます！長文失礼いたしました！ (3月29日 22時) (レス) id: eb8f244850 (このIDを非表示/違反報告)
redapple(プロフ) - 初コメ失礼します！リクエストでもし可能でしたら本編のほうでアダムが殺されて泣き叫ぶリュートに対して嫌味と意地悪な気持ちをこめて心にもないことを言い放つ攻め主をみてみたいです！そしてそんな攻め主に対して悲しみと憎しみと言い返せない悔しさを見せる→ (3月29日 22時) (レス) id: eb8f244850 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤビ(プロフ) - うちのこきゃわさん» うちのこきゃわ様、コメントありがとうございます！彼はある意味良い仕事をしていたようで笑、今頃弄ばれてることでしょう (3月23日 0時) (レス) id: 8b80540195 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤビ(プロフ) - カモノハシさん» カモノハシ様、コメントありがとうございます！男主が推しであることやケニーに対して感情移入してくださりありがとうございます！カモノハシ様の鋏が汚れずに済んで良かったです笑 (3月23日 0時) (レス) id: 8b80540195 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミヤビ
| 作成日時：2024年3月15日 12時
