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シャッツィのいる部屋はキッチンだった。
婆ちゃんとの思い出が沢山詰まった場所。
そこに足を踏み入れる……、
『…あ…あぁっ……うそだ…っ、』
オーブンの前にある大きな"黒い塊"。
ソレはいくつも重なって、その中で大きな２つ……、
いや、"２人"は……、小さな３人を守るように覆い被さっていた。
その２人は…、紛れもなく俺を育てた大好きな人達…、
『──爺ちゃん…！婆ちゃん…！』
そして小さな３人……、本当の兄弟のように毎日一緒に遊んだ俺の大好きな……、
『ジョニーッ…！クライン…！エミリアァ…！！』
──全員の焼死体だった…。
『────────！！！！』
俺は声にならない叫び声を上げ…、その場に崩れ落ちた…、
何故この施設が火事になったのか…、
火事の原因は何だったのか…、
何故皆が死ななければならなかったのか…、
子どもの俺にはそんなのわかるはずがない……、
『何でっ…！何でみんながっ……！
みんながなにをしたっていうんだぁっ……！』
──クゥ〜ン…、
止めどなく溢れる涙をシャッツィが優しく舐めてくれる。
そんな時──…、
──パサッ…、
『！！』
エミリアの死体から何かが落ちた。
それは平たい本のようにも見え、俺はそれを拾い上げる。
『──！！』
──俺の……、絵本…、
煤が付いてるが…、開けばまだところどころ読めるくらいだった。
施設が全焼するほどの火事だったのに…、
ふとエミリアを見れば、真っ黒な人形も抱えていることに気付いた。
エミリアの誕生日にプレゼントした人形だ。
エミリアは俺がこの絵本を大事にしていたことを知っていた。
だから火事の際に燃えないように、人形と一緒に守ってくれていたのか…、
『…………"マイクはとても落ち込んだ。"
…"それは真っ暗で、先が見えないくらいに…"』
俺は絵本を捲り声に出して読む。
ケニーのところに行くようになってからあまり読まなくなったが、やっぱりこの世界観は大好きだ。
『…"そんな時、シャッツィがマイクの先を歩いた。"
…"マイクは彼の後を追った。"
…"暫くすると、眩しい光が見えた。"
…"マイクとシャッツィは走った。"
…"そして、２人はまた力を合わせて闇から抜け出しました。"』
そこまで読んだが、残りは煤がこびり付いて読めそうにない。
傍に来たシャッツィを抱き寄せて、俺はシャッツィと共に生きると決意を固めた。
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ミカン酢(プロフ) - ほわぁぁぁあ遂にｯｯｯｯ…遂にｯｯｯｯ…（泣）1番見たかった展開きてもう感涙ですｯｯｯｯ (3月31日 1時) (
レス) @page46 id: 33398c6647 (このIDを非表示/違反報告)
redapple(プロフ) - リュートが見てみたいです！無理でしたらすみません(＞人＜;) ミヤビさんの🚹🦌毎日楽しみにして読んでます！長文失礼いたしました！ (3月29日 22時) (レス) id: eb8f244850 (このIDを非表示/違反報告)
redapple(プロフ) - 初コメ失礼します！リクエストでもし可能でしたら本編のほうでアダムが殺されて泣き叫ぶリュートに対して嫌味と意地悪な気持ちをこめて心にもないことを言い放つ攻め主をみてみたいです！そしてそんな攻め主に対して悲しみと憎しみと言い返せない悔しさを見せる→ (3月29日 22時) (レス) id: eb8f244850 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤビ(プロフ) - うちのこきゃわさん» うちのこきゃわ様、コメントありがとうございます！彼はある意味良い仕事をしていたようで笑、今頃弄ばれてることでしょう (3月23日 0時) (レス) id: 8b80540195 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤビ(プロフ) - カモノハシさん» カモノハシ様、コメントありがとうございます！男主が推しであることやケニーに対して感情移入してくださりありがとうございます！カモノハシ様の鋏が汚れずに済んで良かったです笑 (3月23日 0時) (レス) id: 8b80540195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミヤビ
| 作成日時：2024年3月15日 12時
