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──…、
──…ッ…、
──……ワンッ！ワンッ！
『……んっ、』
シャッツィの吠える声でふと目を覚ます。
随分と寝てしまったらしく辺りは真っ暗で、空には満月が顔を出していた。
通りで肌寒いと思ったな、と体を起こせばシャッツィが頬を舐めてくる。
心配して起こしてくれたんだろうと感じて抱き締めた。
『帰ろうシャッツィ…、僕達の家に…。』
──ワフッ！
俺がそう言えば、シャッツィは嬉しそうに軽く吠えた。
やっぱり俺達の家はあそこしかない。
全部正直に言って…、もし嫌われたら出て行けばいいんだ。
汚れた服で凶器を包んでシャッツィに『行こ。』と言うと、シャッツィは地面の匂いを嗅いで先を歩いていく。
一定の距離を保ちながらちゃんと俺が着いてきてるかを確認して振り返る姿に、もしかしたら自分が思っている以上の天才犬なのでは？と思ってしまう。
ケニーの家に辿り着いたのも車の匂いか、それとも俺の匂いを頼りにしたのか……、
『……！！、これ、この傷！』
暫く歩くと見慣れた横線がいくつも掘られている大木を見つけた。
これは俺やジョニー、クライン、エミリアの身長を木に掘った跡だ。
これがあるなら施設は近い！
『急ごうシャッツィ！！』
此処まで来ればもう自分の庭も同然。
シャッツィと走りガサガサと草を掻き分けていくと、ふと鼻を突く異臭に気付いた。
──何だ…、この匂い…？
何かを焦がしたような……、
そして木々の間から見慣れた正門が見え始めた……。
『────ぇ…、』
俺の目の前にあるのは、確かに俺が暮らしていた施設……、
そのはずなのに……、
『………う、そだ…、』
真っ白だった正門も外壁も、黒い煤に覆われて…、
ガラスは割られており、
月明かりで照らされた中の家具も、真っ黒にボロボロになっていた…、
──火事の跡……、
震える足に鞭を打ちながら正門を潜る。
婆ちゃんが大切に育てていた花壇も、真っ黒な土と煉瓦しか残ってない。
『──爺ちゃんっ！！婆ちゃんっ！！』
俺は急いで施設に入り、すっかり真っ黒の煤に塗れた中を走り回る。
焦げ臭い匂いと、熱がまだ強く残る施設内。
鎮火してからそう時間は経ってないみたいだった。
『ジョニーッ！！クラインッ！！エミリアッ！！』
『皆何処にいるんだ！！』
叫べど叫べど返事はない。
するとシャッツィが部屋の奥で吠えてるのに気付き、誰かいたのかと急いで向かった。
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ミカン酢(プロフ) - ほわぁぁぁあ遂にｯｯｯｯ…遂にｯｯｯｯ…（泣）1番見たかった展開きてもう感涙ですｯｯｯｯ (3月31日 1時) (
レス) @page46 id: 33398c6647 (このIDを非表示/違反報告)
redapple(プロフ) - リュートが見てみたいです！無理でしたらすみません(＞人＜;) ミヤビさんの🚹🦌毎日楽しみにして読んでます！長文失礼いたしました！ (3月29日 22時) (レス) id: eb8f244850 (このIDを非表示/違反報告)
redapple(プロフ) - 初コメ失礼します！リクエストでもし可能でしたら本編のほうでアダムが殺されて泣き叫ぶリュートに対して嫌味と意地悪な気持ちをこめて心にもないことを言い放つ攻め主をみてみたいです！そしてそんな攻め主に対して悲しみと憎しみと言い返せない悔しさを見せる→ (3月29日 22時) (レス) id: eb8f244850 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤビ(プロフ) - うちのこきゃわさん» うちのこきゃわ様、コメントありがとうございます！彼はある意味良い仕事をしていたようで笑、今頃弄ばれてることでしょう (3月23日 0時) (レス) id: 8b80540195 (このIDを非表示/違反報告)
ミヤビ(プロフ) - カモノハシさん» カモノハシ様、コメントありがとうございます！男主が推しであることやケニーに対して感情移入してくださりありがとうございます！カモノハシ様の鋏が汚れずに済んで良かったです笑 (3月23日 0時) (レス) id: 8b80540195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミヤビ
| 作成日時：2024年3月15日 12時
