軋む心5 (ページ34)

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呼ばれて嬉しいお年頃ページ34

神田「ところで本当に資料見せてくれるのか？」

貴『ごめん、それはここに呼び出すための口実。』

残念だなと言っていたが

神田「まあ宮本に名前呼ばれたからいっか。それじゃあ戻ろうか。」

貴『そうだね。』

2人で部屋から出る
大広間には先程より女子が増えている

南沢「みやちゃん先輩！カラオケありますか？」

貴『あるぞ。その前に飯食ってからな。みんな集まったら宴会場に案内する。それまでワイワイしてていいぞ。』

菊地原「うるさいの嫌なんだけど。」

貴『イヤホンあげただろ。それで我慢してくれ。』

！
後ろから足音

犬飼「みやちゃん！ちょっと飲み物飲める場所ない？」

丁度いいな

貴『あるぞ、こっちだ。何飲みたい？』

犬飼「烏龍茶で。」

誰にも見られてないか確認して上手いこと連れ出す
近くにいた女中に烏龍茶2つ頼んで椅子に座る

貴『澄晴…今日のためにいっぱい勉強教えてあげてくれてありがとう…！』

犬飼「っ！ずるいって…どうしてこうもみやちゃんは可愛いことしてくるかなぁ。」

頭を撫でられる
貴『呼ぶのは1回だけだからね！』

犬飼「みやちゃん、大好きだよ。」

貴『〜！ずるいのはどっち…もう戻ろう。』

犬飼「その前に…」

椅子ごと抱きしめられ首筋にﾁｭｯとキスを落とす
貴『〜？！』

犬飼「おれも余裕ないから。覚えておいてね。」

真剣な顔からニコッと笑い
犬飼「じゃあ先に戻ってるね！」

と言い残しオレを置いて戻っていった

貴『顔赤いよな…』

どうしようと悩んでいたところに足音が聞こえる
この足音蔵内…！

名前呼ぶチャンスだ

蔵内「宮本、いるか？」

テーブルから顔を出して
貴『どうした？』

蔵内「もう全員集まってる。」

貴『…？まだ女子が風呂の方にいるけど…』

蔵内「！…SEか…。その、実は犬飼がすごい嬉しそうにこの辺から出てくるのを見かけて、宮本が居るんじゃないかと思って…2人きりになりたくて探してたんだ。」

貴『！実はオレも蔵内に話したいことがあって…』

蔵内「？」

貴『和紀は大学も同じだからまた仲良くしてくれると嬉しいな…！』

蔵内「はぁ…そういう事か。」

蔵内はその場にしゃがみこみ顔を手で覆う

もしかして何か気に触る言っちゃったのかな…
謝らないと！

貴『蔵内大丈…わっ！』

蔵内「大丈夫じゃない…」

赤い顔しながら熱っぽい視線を向ける蔵内。
蔵内「これは犬飼も気分が良くなるのはよくわかる。」