第四十三話 ページ46
「いやぁ〜、Aに彼氏とか考えられないなぁ、父さん感激だよ…」
「あ、あはは…」
「まふおくんだったかしらっ？Aとはいつから付き合ってるの？にしても、イケメンねぇ…！！」
「は、はぁ…」
一瞬にして両親の餌食となるまふ。
まふの本名を知らない私は、母に名前を聞かれて、咄嗟に まふお と言ってしまった。
まふごめん、変な名前にして。
両親はまふのことをちっとも疑っていない様だった。このままならいける。そう確信した直後、母は仕事の話を切り出した。
「ところでA、なんで今までこんな好青年と付き合ってるって言わなかったのよ〜！結婚を前提にお付き合いしてるんだから、お仕事するなんて言わなくてもいいじゃない〜！」
「いや、仕事っていうのはまふの手伝いをするっていうので…」
「まふおくんは、なんの仕事をしてるんだい？」
「え、えっと…」
そう聞かれたまふは、歌を歌ったり、歌詞を書いたり、ライブに出演させて貰ったりしています！と、言った。
純粋に自信を持ってそう言った。
しかし、返ってきた言葉は想像とは全く異なるものだった。
「まふおくん、そんな仕事はAには出来ないわ」
「Aは努力するべきじゃない。僕らはAに君と家庭を築いて、幸せになって欲しいんだよ、だから、それは諦めてほしい」
急に二人の目から光が消えた。
先程までテンションが高くてうざいくらいだったのに、まふが仕事について話したとたん、不気味なくらいに二人が冷静に話し始めたのだ。
しかも、仕事をすることに対して批判ばかり。
なんでそんなに職を持つことに対して批判的なのかは娘の私にもわからない。
なお、父は続ける。
「まふおくんは、Aに何を求めているんだ？富か？名声か？Aは商売道具じゃないんだ。僕らの元を離れて、お金のために働くなんて許さない」
「そうよ。A、仕事なんて辞めなさい。こんなイケメンと結婚するっていうのに、他に何を働く必要があるの？お金なら私達が出してあげるわ」
部屋がしん、と静まり返った。
怖い。この人達は仕事に対して何故か拒否反応を起こしているのだ。
そう言えば、母も父も、昔の事については一切語ったことは無かった。
もしかしたら、昔、何か仕事関係のトラブルがあったのかもしれない。
でも、だからって私が就職しちゃいけないなんて、そんな理不尽なことないでしょ…
そんな時、机をバンと叩いてまふが立ち上がった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 325人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
お茶丸。(プロフ) - しい。さん» ご指摘ありがとうございます！すみません、不覚でした…ご指摘のあった部分だけ修正しておきましたので、確認おねがいしますm(_ _)m (2018年10月24日 19時) (
レス) id: 6dbb0f543c (このIDを非表示/違反報告)
しい。 - コメント失礼します。指摘なんですが、天月さん公式マーク入ってないのでそこは注意して下さい、ふと気になりました。 (2018年10月23日 22時) (レス) id: 3e3e1564a7 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - スイさん» コメントありがとうございます！！なかなか厄介になってきますので頑張って着いてきて貰いたいです(；´∀｀)そんな風に言って貰えると嬉しいです、頑張ります｡ﾟ(ﾟ´▽`ﾟ)ﾟ｡ (2017年12月10日 12時) (レス) id: 9a94446a1d (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - すごく面白いです！キヨさんと夢主ちゃんの親御さんにはどんな関係が…(・Д・) 続き楽しみです！頑張って下さい！ (2017年12月9日 13時) (レス) id: 77c9f3f671 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - Limさん» コメントありがとうございます！！そうなんですよね。私自身、関西地方の者なのですが、志麻さんとセンラさんの口調の違いが難しくてですね…御指摘ありがとうございます、その事も念頭に置きながら、今後更新していこうと思います(´･ω･｀) (2017年12月4日 7時) (レス) id: 1dccf2b581 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：お茶丸。 | 作成日時：2017年9月3日 21時
