第三十九話 ページ42
「…という事がありまして」
『う、うわぁ…』
その日の夜。両親が寝静まってから、私は真っ先に、そらるさんに電話をかけた。
誰かに相談しないと、頭が爆発しそうだったからだ。
浦島坂田船の人達は4人で出かけているらしく、繋がらなかったので、
一番頼れる印象のあるそらるさんに電話をかけたのだが、出たのは何故かまふだった。
後ろでそらるさんが、返せ、と言ってるのが聞こえる。相変わらず仲良しだなぁ…
「どうしよう…まふ…キヨの言う通りにするべきなのかな…」
『僕も、Aちゃんの親に反対！子供の言う事も聞かずに、結婚を決めちゃうなんて、政略結婚じゃないですか。ねぇ、そらるさん』
『うん…でもさ、キヨさんの言う通りにするかどうかはやっぱし自分次第なんじゃない？』
「ですよね…わかってはいるんですけど…」
もし、その通りにするとしたって、あてがない。
彼氏がどーの、結婚相手がどーの、なんて今まで一回も考えたことがないもの。
『大丈夫だよ！もし、Aちゃんが、キヨの言う通りにするって言うんだったら、僕が…』
『お前、まさか偽物やるつもり？』
『だってそうでもしないと、Aちゃんのお仕事、降ろされちゃうかもしれないんですよ？！』
そらるさんこそまさか反対するんですか？！と叫ぶまふの声が耳にキーンと響く。
『そういう事じゃなくてさ。まふまふは今回のライブの主役じゃん？だから、無理して欲しくないというかさ。てか、まふまふがやるなら、俺がやるし』
「あ、あの…迷惑でしたよね…すみませ」
『違う！Aちゃんは悪くないよ』
『そうだよ。まぁ、どっちみち、俺ら二人のどっちかが彼氏役かってやるからさ、あんまり気負うなよ、A』
さりげなく、そらるさんに呼び捨てされ、びっくりしていると、まふがまた、
『ちょっ、Aちゃんを呼び捨てなんて生意気ですよっ！』
と、キーンとするような声量で叫んだ。
そんなまふを宥めながら、考えた。打開策は、もうこれしか残っていない…
急に黙り込んだ私に、いち早くそらるさんが気づいて、慰めてくれる。
『…大変だったよな、今日は。俺らはまだ全然Aのこと知らないから、こんな事言うのもそれこそ生意気なんだけど』
「いえ！そんなことないです。本当に…こんな夜遅く、ありがとうございました」
プツッと切れた電話を置いて、ベッドに寝転がる。
そして、不安と安堵の混ざった、涙が零れるのを感じたのだった。
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お茶丸。(プロフ) - しい。さん» ご指摘ありがとうございます！すみません、不覚でした…ご指摘のあった部分だけ修正しておきましたので、確認おねがいしますm(_ _)m (2018年10月24日 19時) (
レス) id: 6dbb0f543c (このIDを非表示/違反報告)
しい。 - コメント失礼します。指摘なんですが、天月さん公式マーク入ってないのでそこは注意して下さい、ふと気になりました。 (2018年10月23日 22時) (レス) id: 3e3e1564a7 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - スイさん» コメントありがとうございます！！なかなか厄介になってきますので頑張って着いてきて貰いたいです(；´∀｀)そんな風に言って貰えると嬉しいです、頑張ります｡ﾟ(ﾟ´▽`ﾟ)ﾟ｡ (2017年12月10日 12時) (レス) id: 9a94446a1d (このIDを非表示/違反報告)
スイ(プロフ) - すごく面白いです！キヨさんと夢主ちゃんの親御さんにはどんな関係が…(・Д・) 続き楽しみです！頑張って下さい！ (2017年12月9日 13時) (レス) id: 77c9f3f671 (このIDを非表示/違反報告)
お茶丸。(プロフ) - Limさん» コメントありがとうございます！！そうなんですよね。私自身、関西地方の者なのですが、志麻さんとセンラさんの口調の違いが難しくてですね…御指摘ありがとうございます、その事も念頭に置きながら、今後更新していこうと思います(´･ω･｀) (2017年12月4日 7時) (レス) id: 1dccf2b581 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お茶丸。 | 作成日時：2017年9月3日 21時
