夢への招待 ＊7 ページ44
荷物を待つために一緒に行ったはずの志麻さんを置いて帰ってきてしまった私。
厨房前を通り過ぎた所で人の気配がして中を覗くとそこにいたのは意外にもうらたさんだった。
何やら脚立に乗って上の棚を物色している様子の彼をしばらく見ているとふと気付いたうらたさんとバチっと目が合う。
「Aじゃん。何してんの?」
志麻さんと密室でキスしたなんて口が裂けても言えない私は適当に食休みの散歩と伝え、うらたさんこそここで何して、と質問をした。
「センラから装飾品追加で取ってこいって言われたんだよ。…ったくアイツバトラーの癖に人使い荒いんだよな」
棚の中を掻き回す様に探し物をするうらたさん。
“手伝いましょうか？”と声をかけ脚立に近づいた。
瞬間、”ちょ、あぶね”と上から声がして見上げると脚立が大きく揺れ缶詰やらいろんなものが降ってくるのがスローモーションで見えた。
咄嗟の出来事に腕を顔の前に出し目を瞑ることしか出来ない。
体が大きく後ろへ傾く。“A！”と呼ぶ声がして目を開けると至近距離にうらたさんの顔があって、その光景は坂田さんのベットの上で馬乗りになられた時の光景に酷似していた。
「だいじょーぶ?頭打ってない?痛いとこない?」
あの時と違うのは目の前の彼がとても心配そうに私を見つめている事で、その目はいつもの余裕も皮肉さも感じられなかった。
頭どころかどこも痛くないし一切汚れていない事から彼が覆い被さって助けてくれたのだろう。
「大丈夫です、ごめんなさい…手伝おうとして逆に手間かけさせちゃいましたね…」
床に散らかる無数の缶や口が空いて溢れている粉物、衝撃で穴の空いたパック類。状況は最悪だった。
「Aが無事ならなんだっていーよ」
“なんなら後片付けは坂田にでもやらせるから”と悪い顔で笑う彼に思わずつられて笑ってしまえばホッとした優しい表情で彼は私を見つめていた。
ふと私の首筋に視線を移しうらたさんはボソリと呟く。
「…痕、消えちゃったな」
スルッと首筋を撫でる手に体がビクッと反応すると気を良くしたうらたさんは口角をあげ私をそのエメラルドの瞳いっぱいに映す。
期待、はたまた独占欲に満ちたその目で
「ね、また俺だけの痕残させて?」
そういうとうらたさんは私の返事も聞かず、私の首筋に歯を立てた。
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悠永@星点灯ありがとうございます。(プロフ) - 結月。さん» 暖かいコメントをありがとうございます。1章出たての頃から見てくださっているとのことですごく嬉しいです😭途中間が空いてしまったりもしましたがきちんと完結させるつもりなのでどうか3章も引き続き見てくださったら幸いです🙇♀️ (2023年2月7日 10時) (
レス) @page46 id: 41d5883f51 (このIDを非表示/違反報告)
結月。(プロフ) - コメント失礼致します。2章完結おめでとうございます！！作品ができた当初からいつも更新を楽しみにしておりました。物語の展開もすごく面白くて、大好きな作品です。これからもとても楽しみです。陰ながら応援しております…！！ (2023年2月7日 4時) (レス) id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
悠永@星点灯ありがとうございます。(プロフ) - にやあ確定さん» 当作品初めてのコメントで、作者はとても感激しております！！！更新頻度の事、内容、楽曲の解釈共に褒めていただけてとても嬉しいです…！🥹決して短くない私の小説を読んでくださりありがとうございます。ぜひこれからもお付き合い頂けると幸いです！ (2022年12月14日 8時) (レス) id: 41d5883f51 (このIDを非表示/違反報告)
にやあ確定 - コメント失礼いたします◎更新頻度が高い上に物語の内容にとても惹かれました...😽何より作者様の楽曲への解釈がとても素敵です‼✨素敵すぎる悪魔執事を書いてくださり有り難うございます😈✨ (2022年12月12日 22時) (レス) id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠永 | 作成日時：2022年11月24日 11時
