夢への招待 ＊1 ページ38
それは唐突な暗闇だった。
“いつかの夢の始まりみたいだな”とどこか他人事の様な思考をしながら暗闇のなか立ち上がった私は、方角も分からないまま歩き出した。
行く宛のないままフラフラと足を一歩ずつ前に運ぶ。
ふと前方に誰かの気配を感じ暗闇に目を凝らすと、だいぶ離れた先に見慣れた4人の人影を見つけた。
遠くからでも直感で彼らだと分かって、安堵と嬉しさから私は4人の方へ走り出す。
あと少しという所まで近づき、声をかけようとした所で私の足は自然に止まった。
様子が、おかしい
「ねぇ！目をあけてよ！」
「おい！！！俺達を置いてくなんて許さねぇぞ！！！」
「あかん！出血が止まらへん…！」
「なぁ！聞こえてるか？！返事しろって！！！」
4人は近付いてきた私を見向きもせず倒れている誰かを囲う様に地面に座りこみ、みんな顔を涙でぐしゃぐしゃにして必死に声をかけていた。
座り込んだ4人に視界を遮られていて誰かが倒れていて、危ない状況だという事だけしか分からない。
4人の側に行こうと足を振り出すも透明な壁の様なものに遮られて今より先に足が進まない事に気付く。
「坂田さん！志麻さん！センラさん！うらたさん！！！」
声を張り上げて4人の名前を呼ぶがそれも届かないのか誰1人としてこちらを振り返る者はいなかった。
その間にも4人は倒れている誰かに対してある者は手を握り、ある者は魔術を展開し、ある者は心肺蘇生法を試し、ある者は大きな声で呼びかけ続けていた。
彼らの悲痛な叫びが、胸を締め付けられる様に苦しくて両頬を涙がとめどなく伝う。
泣いてる4人を見たくない、なんとかしたい、その一心で拳を振り翳し何度も壁を叩いたがビクともせず、今度はタックルをかますが何度やっても壁はヒビの一つも入らずうんともすんともいわなかった。
何度目かのタックルの際に勢いよくぶつかった反動で思い切り地面に尻餅をついてしまい、痛みでその場から動けなくなってしまった私が目を閉じて痛みに耐えていると、4人以外の誰かの声が聞こえてきて思わず閉じていた目を大きく見開く。
「さかた……しま…せんら……うらた…、お願い…——————」
まるで最後の力を振り絞ったかの様に弱々しいその声は最後まで私の耳に届かなかった。
4人がそれぞれうなづき、うらたさんが何かを告げている。
うらたさんの言葉を聞き遂げたかのように力なくダラリと落ちる誰かの手を掬い上げ彼らはそのまま闇の中へ消えていった。
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悠永@星点灯ありがとうございます。(プロフ) - 結月。さん» 暖かいコメントをありがとうございます。1章出たての頃から見てくださっているとのことですごく嬉しいです😭途中間が空いてしまったりもしましたがきちんと完結させるつもりなのでどうか3章も引き続き見てくださったら幸いです🙇♀️ (2023年2月7日 10時) (
レス) @page46 id: 41d5883f51 (このIDを非表示/違反報告)
結月。(プロフ) - コメント失礼致します。2章完結おめでとうございます！！作品ができた当初からいつも更新を楽しみにしておりました。物語の展開もすごく面白くて、大好きな作品です。これからもとても楽しみです。陰ながら応援しております…！！ (2023年2月7日 4時) (レス) id: 286dc51d91 (このIDを非表示/違反報告)
悠永@星点灯ありがとうございます。(プロフ) - にやあ確定さん» 当作品初めてのコメントで、作者はとても感激しております！！！更新頻度の事、内容、楽曲の解釈共に褒めていただけてとても嬉しいです…！🥹決して短くない私の小説を読んでくださりありがとうございます。ぜひこれからもお付き合い頂けると幸いです！ (2022年12月14日 8時) (レス) id: 41d5883f51 (このIDを非表示/違反報告)
にやあ確定 - コメント失礼いたします◎更新頻度が高い上に物語の内容にとても惹かれました...😽何より作者様の楽曲への解釈がとても素敵です‼✨素敵すぎる悪魔執事を書いてくださり有り難うございます😈✨ (2022年12月12日 22時) (レス) id: 28b1a8c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠永 | 作成日時：2022年11月24日 11時
