Diabla姫と悪魔執事【u/s/s/s】 (ページ29)

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夢を求める＊1 ページ29

目が覚めた私はいつもの自分の部屋にいた。

寝ていたのも当然のようにシングルサイズのベッドで間違えてもクイーンサイズでは無い。

ここにはアンティーク調の家具もなければ
チェスターフィールドの2人掛けソファもない

(…私、泣き疲れてソファで寝落ちしちゃったんだっけ)

「また会いましょう、A。
………おやすみ」

一瞬おでこに感じた柔らかい感覚の後、
最後に聞こえたセンラさんの声は優しく
私の頭をハチミツの甘さのようにじわじわと侵食していく。

瞼が重い

机に置いてある手鏡を見ると
案の定泣き腫らして真っ赤になった目と
分厚い瞼、浮腫んだ顔がそこには映っていた。

「…ひどい顔」

鏡の中に映る自分に吐き捨てるように呟いた。

さすがにこの顔面で学校に行く勇気は持ち合わせていない。

ベッドに腰掛けどうしたものかと悩んでいると
ノックが聞こえて母親が私の部屋に入ってきた。

いつも通り下の階から私に声をかけてくれていたようだが、一向に返事のない私を気にしてわざわざ見にきてくれたという。

母は当たり前だが私の顔を見てびっくりしていた。