ゾロ(3) ページ9
side貴方
罰が悪そうにぎゅ、と口を結ぶゾロ。
ふいー…と逸らす視線は今回ばかりは自分が悪いと思っているようだ。
吹雪く程ではないが空から降ってくる大粒の雪。
右も左も分からない雑木林の中でポツンと立つ私達。
そう、迷子だ。
もしくは遭難。
私とゾロしかいないのは島を探検するチームに分かれていたからで、いつもなら多少迷子になっても勘を頼りに戻れるのだが今回はなにぶん目印になるものがない。
「…ふふ、本当にどこでも迷えるんだね」
「偶々だ今回は！いつも迷子みてぇな言い方すんじゃねぇ！」
「いつもだよ。目を離すとすーぐいなくなるのどこの誰ですかー」
「お前等が勝手にどっか行くだけだろ」
「9対1でそれを言うか」
でも不思議と、彼と一緒ならどこで迷おうとも生きて帰れる自信はあるんだけど。
今もほらもうかまくら作り出してるし順応が早い。
私も手伝い完成させたかまくらの中へ入ると外よりは全然マシの気温で一晩ぐらいは余裕で過ごせる。
ただ下が雪なので寝転がれないから座って寝なきゃだし首が痛くなりそうだ。
ゾロは下雪とか全く気にせず寝転んでるけど。
冷たくないの？
「…早くしろ」
「何を…？」
「上乗れって言ってんだ。そしたら冷たくねぇだろうが」
「上ってゾロの？」
「馬鹿かお前。かまくらの上で寝たら意味ねぇだろ」
「それは分かってますけども！」
座って寝れるから大丈夫だよと手を体の前で振る。
一見女とか気にする風には見えないけど、実は不器用なりに考えてくれてる彼。
私の事は気にしないで寝て？と微笑めば何故か舌打ちされ引っ張られた手。
強い引力に抗えず倒れ、逞しい体に体重を預ける事になってしまった。
「ゾロ、ほんとに大丈夫だから。重いし離して？」
「てめぇ一人抱えられねぇ程ヤワな鍛え方してねぇんだよ」
「そういう事じゃなくて…それにゾロだけ冷たい思いさせる訳にはいかな「うるせぇ。寝るから黙れ」」
むぐ、と手で塞がれた口。
静かになったのを確認するとしっかり片手は腰に回したまま、イビキをかいて寝始めた。
…こっちの方が全然寝れない人の気も知らないで。
「鈍感マリモめ」
むぎゅ、と仕返しに鼻をつまんでみる。
ふがっと息が詰まったような声を出したけど相変わらず眠りは深いみたいで、起きる事はなかった____
＿fin＿
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みかん(プロフ) - うわああさすがかっぱの子さん！！ワンピース小説大好きです...！！是非またワンピースの新作書いてください！待っていますー！ (2019年1月5日 21時) (
レス) id: 3dab1a0015 (このIDを非表示/違反報告)
rilu - あっ…神だ。（確信） (2018年12月31日 14時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かっぱの子
| 作成日時：2018年12月30日 15時
