入間銃兎(3) ページ7
side貴方
「ひ・ま」
「巡回中に何言ってるんです」
「事実じゃんさっきからずっとここでイチャつくカップルを眺めてばっかり。いい加減胸焼けするわ！」
「妬みは見苦しいですよ」
「妬みじゃないし！」
はぁー…と窓枠に肘をつき不機嫌全開にしながら外を睨む。
眩しい程に輝くイルミネーションの前にはハートが飛びまくってる男女のカップル。
何が面白くてこんな光景見なきゃいけないのか。
この馬鹿兎が『人が集まる場所こそ目を光らせるべき』なんて言わなければ…
「せめて左馬刻連れて来てたら危なっかしくて面白かったのになぁ」
「仕事が増えるの間違いでしょう」
「尻拭い全部銃兎に行くからね。私は傍観してるだけー」
「最低だな」
「それほどでも」
「褒めてませんから」
全く…と新たに一本煙草を取り出しライターの火を付ける彼。
そんなに仕事に疲れてるなら巡回するなんて言わないで休めば良かったのに。
変なの、と思いながらまた目を外に向ける。
ずっと見たかったこのイルミネーション。
でも一人で来るなんて嫌だし、この性格でこの歳だから一生来る事なんてないんだろうななんて思ってたのにまさかこんな形で見ることになるとは。
色々複雑な心境だけどやっぱり綺麗なものは綺麗。
「＿...」
「？何か言った？」
「いえ何も。…さて、そろそろ満足しましたか？」
「え？」
「もういいでしょう。帰りますよ」
素っ気なく言って発進された車。
……もしかして、わざわざこれを見せる為に？
確かに銃兎にはよく話してたけど…
「…何にやにやしてるんです」
「ふふ、兎もツンデレだったんだーって」
「しょっぴくぞコラ」
「冗談。ありがと銃兎。嬉しい」
にこーと笑ってお礼を言うと気持ち悪い顔向けないで下さいと言われ顔逸らされた。
割と傷付いたよ今の、すごい真面目な声だったもん。
まぁいいけど、と背もたれに体重を預けるとふとある事に気付く。
「…あれ？こっち署じゃなくない？」
「ええこんな時に戻って仕事する気ありませんので」
「じゃあどこ行くの？」
「私の家です」
「クリパでも用意してくれてるの？」
「……さぁ？」
「え、何その笑顔。嫌な予感しかしない」
変な間と黒い笑顔に悪寒が走る。
数十分後、その予感が的中したのは言うまでもない。
＿fin＿
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みかん(プロフ) - うわああさすがかっぱの子さん！！ワンピース小説大好きです...！！是非またワンピースの新作書いてください！待っていますー！ (2019年1月5日 21時) (
レス) id: 3dab1a0015 (このIDを非表示/違反報告)
rilu - あっ…神だ。（確信） (2018年12月31日 14時) (レス) id: d32ce14729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かっぱの子
| 作成日時：2018年12月30日 15時
